ワンチャンあるよ

「ワンチャンある」


 って言葉、時々目にしますよね。


 私はこの言葉を、


「もう一回チャンスがある」


 と、受け止めてきました。


 実際、そういう意味で使われているのではないかと思います。


 それが、少し前にあるSNSで流れてきた発言ではこう説明してあったんです。


「ワンチャンとは、麻雀から来た言葉」


 え、そうだったの? てっきり英語の「ワン・チャンス」だと思ってた。


 私は麻雀もやらないのでよく分からないですが、麻雀の「半荘はんちゃん」という言葉とその意味は知ってます。前に教えてもらったので。


 念のため調べてみたら「麻雀1ゲーム」のことを言うと説明してあって、「東場」と「南場」の「八局」やることとあったので、思ってるのと合ってるような違ってるような。

 てっきり「麻雀1ゲーム」は「東南北西」のそれぞれ4局のことだと思ってました。でも「半荘」が思ってた「八局」なので、この言葉としては合ってる?


 なんだかよく分かりませんが、とにかく「荘」が「ちゃん」なのはあってるので、そのSNSの説明のままだとすると、


「もう八局やれる」


 イコール「ワンチャン」ってことになるのかな?


 気になったので今度は「ワンチャン」を調べてみたら、そちらではやっぱり「ワンチャンス」のことだが、英語にはそんな表現はないとのこと。へえ、そうなのか。つまり和製英語?


 そしてもう一つ驚いたのが、その意味の解釈の違いです。


 私が思ってる「ワンチャン」はそのままの「もう一回チャンスある」なんです。


 たとえば、


「ライブのチケットの先行予約はずれたけど、一般販売でワンチャンある」


 みたいな感じです。


 だめだったチャンスと、次のチャンスは同じぐらいの感じ。


 もしくは、


「今朝の朝ドラ見逃したけど午後からの放送でもうワンチャンある」


 みたいに、そんなに重くない。単に「もう一回できるよ」ぐらいの意味でした。


 ところが、調べたところの説明では、


「元々は限りなく実現する可能性は低いが、もしかしたら、のような意味」


 と書いてありました。


 ええーそんな意味で使ってなかったと思うけどなあ。


 そして若い世代では意味が違ってきて、


「実現する可能性の高さは関係なくもう一回チャンスがある」


 と、使われるようになってきた、とありました。どちらかというと、こちらの方が私がそうだと思っていた意味に近いです。


「え、私若者? 本人は気が付いてなかったけどZ世代?」


 なんて自分で自分につっこみましたが、そんな低い意味で使った記憶ないけどなあ。


 言葉は生き物です。時代と共に変化して当然ですが、自分では普通だと思って使っている言葉にも、こんなに違いがあるのかとちょっとびっくりしています。 


 そうそう麻雀にもどうやら「ワンチャンス」という言葉があるらしいのですが、こちらは、


「特定の数牌が自分の視点から3枚見えている状態」


 と、かなり限定された意味のように思いますが、これが転じて日常的に「わんちゃん」と使われるようになった、との説明もありました。


 こちらの場合は最初の頃に使われていた「限りなくないだろうが」みたいな意味らしいのですが、最初に調べたところの「限りなく実現する可能性は低い」と同じ意味なので、もしかしたら本当に最初は麻雀から来ているのかも知れませんね。

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