ヒガンバナ、花言葉は怖くなかった

 前回書いた、


「ヒガンバナがちょっと怖い」


 という続きみたいな話です。


 色々と怖い要素のあるヒガンバナ、曼珠沙華、死人花、地獄花、幽霊花、ですが、と、あえて怖い名前を並べてみたりして。


 話は戻って、そういう怖い要素があるヒガンバナなんですが、意外なことに花言葉は怖くない。


「悲しき思い出」

「あきらめ」

「独立」

「情熱」


 どれもなんとなく納得できますよね。


 私の怖い要素になっているお墓の隅っこにちょろっと生えてるところから、なんとなく故人を思い出して「悲しき思い出」、もう帰ってこない人を思って「あきらめ」、茎がしゅっと伸びて単体で生えてるから「独立」、そしてその色から「情熱」って感じでしょうか。別名と比べて普通っちゃあ、普通ですよね。


 それでふと、


「じゃあ怖い花言葉の花ってどんなんだろうか」


 と、調べてみたら、あるある、色々ある。


 大体黒い系の花にそういうのが多くて、「黒薔薇=憎しみ」「黒百合=復讐、呪い、憎悪」みたいな感じです。同じ花でも色が違えば花言葉も違い、例えばバラでも赤いと「愛情、情熱、美」になり、白いゆりは「純血、無垢、高貴」と全く違う。


 他に面白かったのは「四つ葉のクローバー」で、4枚の葉のそれぞれに「希望」「信仰」「愛情」「幸福」という意味を持ち、本体には「幸運」「私のものになって」という花言葉があるんですが、その他にも「復讐」という1つだけ全然違う方向の花言葉も持っているようです。

 これは自分の物になってほしい、幸運になりたいという願いが果たされなかった時にその心が復讐に向かうことと、四つ葉がキリストの貼付けの十字架に似てるから、だそうです。へえ~


 それと、エジプト好きの私がふにゅっと反応したのは「蓮=滅亡」です。エジプトの壁画には蓮の花が多く描かれているんですが、しおれた蓮が描かれている物が多いとか。私も全部をチェックしたわけではないので、本当かどうか分かりませんが、言われて意識して見たら、確かにしょぼんと下を向いて蓮を見かける気がします。そしてその理由として、今はない古代大陸、ムー大陸とかの滅亡を暗示しているという、都市伝説みたいなのが出てきて面白かった。他には、蓮はヒエログリフが出てきた初期王国から見かけられるけど、その最初の方の王朝が滅亡したからそんな花言葉になったのだとの説明もあり、どっちにしても滅亡なんだなと思いました。

 日本では1000年も前の古代蓮が水に入れてたら開花したりして、生命力のある花というイメージもあるのに面白い。


 そして、そうやって色々見ていった中で私が一番怖かった花言葉は、


「スノードロップ」


 の花言葉でした。

 

 スノードロップは白い花が下向きについたかわいらしい花なのに、その花言葉は、


「あなたの死を望みます」


 なんですよお! こ、怖いがなあ!


 これはイギリスの伝承に、亡くなった恋人にこの花を供えたら雪のしずくになってしまった、という逸話かららしいんですが、なんでそこから死を望むのかがさっぱり分かりません。しかも「あなたの」ですからね。自分も後を追って死んでしまいたいなら「私の」になるけど、なんで「あなたの」を望むんだ。イギリス人謎過ぎる……


 もっとも、スノードロップには他には「希望」という花言葉もあるらしい。なんで?


 どっちにしても、何かの時にスノードロップを送られたら、


「これはどっちの意味だろう」


 と、こめかみから汗の一筋でも流してしまいそうです。

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