あくちが切れる
前回、いちじくのことを調べた時に、注意事項のところで、
「白い汁がつくとヒリヒリしたりかゆくなったりします」
のような一文がありました。
確かにそんなことを聞いたことがあります。私のいちじく人生の中では、そんなことあったかなあ、という感じですが、母に、
「いちじくを食べ過ぎるとあくちが切れる」
と、言われていました。
「あくちが切れる」
って、
「口が切れる」
とどう違うの? なんで「あ」がついてるの?
長年、そう思ったまま忘れてましたが、ふと思い立って調べて、すごいびっくりする事実を知ることとなりました。
私は単に「口が切れる」のことだと思っていて、それは合ってるけど合ってないということが分かりました。
「あくちが切れる」
とは、
「口角炎」
という、立派な病名? のことだったのです。
症状で言うと、口を開けた時に「パカッ」と、口の端が切れることがありますよね、それを「口角炎」と呼ぶのだそうです。
知らなかった、単に口が切れたというだけだと思ってた。
その「口角炎」のことを、
「関西の方言であくちが切れると言う」
と、きちんと書いてありました。びっくりした! れっきとした方言だったとは!
あの白い汁の正体は、前回も書いたんですが「フィシン」という「タンパク質分解酵素」で、いちじくはその「フィシン」で菌や微生物、虫から身を守っているのだそうです。その汁が口の端についたら、タンパク質が分解されて切れるようになる、という判断でいいのかな? まあ、そういうことらしい。
タンパク質分解酵素なんですが、昔はチーズ作りに使われていて、牛乳に入れたらみるみる固まるのだとか。へえ。
他に神話にも出てきていて、軍神アレスがケガをした時、傷口にいちじくの白い汁を塗ってみるみる治った、などとも書かれていたらしい。
そうそう、あのアダムとイブが恥ずかしくなって局部を隠したのもいちじくの葉っぱです。禁断の木の実はりんごということになっていますが、昔から「りんごの葉っぱでは小さくて隠せないのでは?」と、いちじくこそがそうだという説もあります。
この事は前から何かで読んで知っていたのですが、前回書いた「不老長寿の果物」と呼ばれるというのも、そのあたりから出てるのかも知れませんね。
そして今回、「あくちが切れる」を知ることもできたので、本当にいちじくってすばらしい果物だと思います。
みんな、いちじく食べようぜ!
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