パパイヤの木

 今、沖縄が台風で大変なことになっているようです。


 交通手段も止まり、食料も売り場からなくなってきて、停電もしているとか。


「停電してエアコンをつけられなくて暑いけど、台風のせいで窓も開けられない」


 そうなるのか! いや、この季節にそれはつらいです。

 暑いのに停電でお風呂は水シャワーしか使えないとか、つらいつらいが重なって、聞いているだけでつらいです。

 

 私のイメージでは、台風って、


「寝てる間に行ってしまうもの」


 でした。


 学校に行ってる時、朝の7時に警報が出ていたら学校が休みになるのに、その時間には大抵行ってしまっていて注意報になっていて、休みにならずにがっかりしたことが何度もあります。その逆に、お昼になって警報が出て、びしょ濡れになって帰ったことが重なったことを、このシリーズの「台風の金曜日」に書きましたが、大抵の場合は朝起きたら行ってしまっていた、という印象です。


 これは今でもそうで、夜、寝てる間に結構すごかったらしいけど、朝はもう晴れていることが多い気がします。あまりお昼に雨や風がすごいという感じはないかなあ。


 少しでも早く、沖縄の天候が落ち着きますように。


 そう思ってニュースを見ながら、ふと、沖縄に旅行に行った時にタクシーの運転手さんから聞いた話を思い出しました。台風とは全然関係ない話で恐縮ですが、思い出してしまったもので。


 その運転手さんはよくしゃべる人でした。自分は沖縄出身だが、生まれ育ったのは台湾で、いくつだったか忘れましたが、子供の頃に親と一緒に沖縄に戻ってきたこと、なんかを話してくれました。

 

 その時に、


「庭にパパイヤを植えた」

  

 という話をしてくれました。


 パパイヤと言えばちょっと前に「パパイヤケーキ」がちょっと流行ったりしていました。そのあたりは覚えていないんですが、もしかしたら台湾を思い出して、とかそんな話だったのかな? よく覚えていませんが。


 そして、その木が植えて何年か経ち、


「そろそろ実が生る頃だと思うが実がならない。聞いた話だとパパイヤの木にはオスとメスがあり、オスの木だったら実が生らないそうだから、もしかしたら植えたのはオスの木だったかも」


 との話でした。


 沖縄からこのパパイヤの木のことを思い出し、


「そういやあのパパイヤの木、実が生ったのかなあ」


 と、気になってきました。


 そして気になったら調べる。これ、基本です。


 んで、調べたんですが、


「パパイヤは病気もしにくくて育てやすく、翌年からでも実がとれます」


 って、ほへ?


「え、運転手さんの話と全然違うぞ」


 大きくはなるけど、鉢植えでも育てられるらしい。

 植えて何年もするのに実が生らないって、なんでだ?


 そして、さらに調べると、確かに、


「雌雄異株」

 

 で、確かにオスとメスがあるんですが、


「雌雄同株が不安定」


 で、剪定などの刺激によって、


「雄株が雌株や両性株に変化することもある」


 ってな、面白い木じゃないか!


 つまり、もしも「オスの木」を植えてしまったとしても、


「えいえい」

 

 と、刺激を与えていたら実が生る木になってくれるってことなんですよね。


 へえ、面白い!

 

 運転手さんの話、どうやら本当なんだなと思いますが、もしかしたら、オスの木を植えて、それで刺激してないから、


「俺は男だ!」


 と、頑固に貫いているので実が生ってないのかも知れません。


 面白いなあ。アボカドは種を植えてたらそこそこ大きい木になったことがありますし、パイナップルの先の葉っぱも水に漬けてたら伸びてきましたが、パパイヤはやったことがありません。


 ちょっと植えてみたくなったなあ。うちぐらいの気候でも実が生るかしら。

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