死刑囚と少女
バブみ道日丿宮組
お題:名前も知らない死刑囚 制限時間:15分
死刑囚と少女
「こんにちわ」
「……」
「今日もご機嫌はよくないみたいですね」
「……」
「喋れたらもっと楽しいのに、しないのは不思議です」
「……」
「もうすぐ死んじゃうからですか? 罪を重く感じてるとかですか?」
「……」
「ひょっとして私迷惑ですか。でも、ここぐらいしか私の遊び場はないんです。少しくらい付き合ってくれてもバチは当たらないですよ」
「……」
「でも、死刑がなくなるわけじゃないので希望はもてないかもです。あぁだから喋らないんですね。困りました。私はあなたが喋ってるところがみてみたいです」
「……」
「お父様にお願いしてみようかな。でもでも強制して喋らせるのはなんか違う気がします。お話っていうのは相手と自分が自由に話せることと聞いてます」
「……」
「わかってます。他に喋ってくれそうな死刑囚のところへ行けっていう無言ですよね。でもですね。他の死刑囚さんは怖いんです。目で何回も襲われてます。視姦ってやつですか?」
「……」
「妊娠することも触れられることもないのはわかってるのですが怖いものは怖いです。私に触れようとした人がすぐに死刑になったのは嬉しいことですけどね」
「……」
「ひょっとしてその猿ぐつわがあるせいで喋れないんですか? 街の人は口を動かさないで喋るとお父様から聞いてます。だから違うでしょう」
「……」
「あなたに許されてるのは、目と首の可動。少しばかりの自由ってやつですよね。その身を拘束具で固定されてるから仕方ないかもしれないです」
「……」
「目の色はここであまり見ない色ですね。青色。空みたいなキレイな目。お父様にいったらコレクションに入れてくれるのでしょうか。黄色の目はたくさん持ってます。あと黒い色も。他にもいろいろコレクションには入ってます。ここではたくさん入ります」
「……」
「どうかしました? 目に動揺が現れてますよ? どうしてわかるって? そりゃ私は特別だからです。お父様に調整してもらったこの目は細かい動きを頑張れば見ることができます。そう頑張ればです。これは人間であるという1つの真実」
「……」
「ただ勘違いしやすいのもこの目です。ずっと観察してればその間違いもなくなるのですが、さすがに死刑囚を監視する装置は許されてないです。会うことは許されてるのに不思議ですよね。あはっまた不思議なことができちゃいましたね」
「……」
「じゃぁまた明日もきますね。そのときは喋ってくださいね?」
死刑囚と少女 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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