みるということはすなまちかんじること

バブみ道日丿宮組

お題:つまらない食器 制限時間:15分

みるということはすなまちかんじること

 毎日彼女が食器を買ってくる。

 古くて使われてないのは僕が処分してるから、家に食器ばかりがあるということにはなってない。

 彼女は捨てられることに関しては何も言わない。自分がたくさん買ってること、すでに食器があることを理解してるのだろうとは思う……買ってくるなといいたいけどね。

 なんにしても彼女の感性はとても尖ってる。

 正方形の形した茶碗とか、管しかないお椀とか、真ん中に卵ようの落下ポジションがあるボールとか、よくもまぁ見つけられたものだ。

 そんな彼女だからこそ、栄誉ある品質鑑定士というものにたいしての価値を決定できる資格があるのだろう。

 ちなみにこれは人にも該当するらしく、口にはしないものの物以上に面白い色がついてるらしい。僕はその中でも特殊な色だからこそ、彼女が近づいて関係を持ったというわけだ。

 そうじゃなきゃ僕みたいな無才能なデザイナーに人がよるわけがない。

 とはいったものの彼女を何度も描いてるうちに僕は、彼女であれば美しさや可愛らしさを表現できることに気がついた。そのことに気づいた時は彼女を抱きしめるほどで恥ずかしさは吹っ飛んでた。

 そのおかげもあって食器にも面白い、つまらないといった色があるのが少しずつ見えてきた。彼女はコレ以上のものを見てるんだろうと思うと少し羨ましい。

 でも……これ以上のデータを認識するのはかなり神経と体力を使う。

「……」

 僕は捨てる食器を選ぶためにその力を使ってるから大して疲れるということはない。すべてを見ようとしてるわけでなく、つまらない、よくないそういったマイナス面を見ることにしてるから範囲は狭まれる。

 どれでもまぁ……僕にとってはつまらない感じではあるのだけど……使われてる食器だとしても数が多くてどれでもいいやというのが実際の気持ち。

 捨てるから見るというのは実のところかなりめんどい。いつか彼女にたどり着けるかもしれないからとわざわざ疲れることをしてることに意味を持ちたい。

 だから、これからも僕は捨てられるものに関して力を高めていきたいと思う。

 そうすれば、きっともっとキレイな彼女の絵画がかけるに違いないと信じてるから……。

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みるということはすなまちかんじること バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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