私の趣味
バブみ道日丿宮組
お題:蓋然性のある恋 制限時間:15分
私の趣味
誰かを愛するならば、誰かに嫌われる決意を持たなければならない。
そうしなければ、略奪なんてことはできない。
一緒になりたいなら、腕を折るなり、足を折るなりしてその人が必要と思わせる必要がある。あくまでもこれは1つの案であって改善の余地は多々ある。
なんにしても恋した相手のものをほしいと思うのは仕方のないこと。
私はそうして自分だけのコレクションを増やしてきた。
「……増えたわね」
部屋に散らばるモノはかなりの量になってた。
「お嬢様がご注文になったものばかりでございます」
執事の1人が答える。
「そろそろ記念館を設立してみるのもいいかもしれないわ」
「その場合ですとお嬢様が害あるものとして扱われる可能性がありますため、公開するコレクションは一部のみの展示となることをご了承していただきたい」
執事の言ってることは正しい。
人間の腕、足、目、内蔵と次々に展示してしまっては人間性を疑われるだろう。
とはいえ……多くの人に見てほしいのは変わらない。
同じ趣向を持つ人間がきてれれば、きっと大絶賛。お友だちになることだってできる。
「彼を人に見せるわけにはいかないものね。わかったわ。部屋に彼を収納できるガラスケースを用意してもらえるかしら」
かしこまりましたと執事は部屋を出ていった。
「……ふぅ」
私は静かに彼の身体だったものを一箇所にまとめる。
血抜きをして、腐らなく、臭くもならなくなったとはいえ重量はかなりある。
執事にやらせるべきであったかもしれないと一瞬後悔してはみたけれど、彼に触れられるのは嫌だったので良かったのかもしれない。
下処理のときですら嫌悪感を抱いたものだ。
しかしまぁ……。
「結構なものね」
彼以外のモノが部屋を彩ってる。
きれいだとは思うのだけど、個人の部屋にいつまでも乱雑な扱いをするのは彼らにとっても不都合だろう。
「……」
これが人間だとわからないようにするのはとても簡単なことで、砕いて食器に変えてしまえばいい。その技術は我が一族に伝わってる。
その名は祖先が作り出したものだが、こういう使い方をされるとは思わなかっただろう。
執事が戻ってきた後、人間だったものをまとめて工房へと持っていってもらい、私は加工処理をはじめたのだった。
私の趣味 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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