あたらしい世界
バブみ道日丿宮組
お題:天国の葬式 制限時間:15分
あたらしい世界
葬式を見てから天に旅立った。
悲しみにくれる両親や、友だちを見るのは辛かったけれど……これが最後になるかもしれないと思うと視線は反らせなかった。
それが数十分までの出来事で、
「えっとこれはなんですか?」
今は天国で多くの人が見守る中で葬式が行われてた。ただ服は喪服でなくパーティーなんかできるドレスやら、着物などの派手なものが多い。
「あなたが無事に天国で生活できるように祈るお祭りです。これはここにきた誰もがはじめに体験する出来事なのです」
お坊さんがそう私に声をかける。
「葬式……ですよね? おかしくないですか」
頭に浮かんだ疑問をそのまま口にする。
「葬式は現世では死をそのまま表しますが、ここでは新しい旅路として葬式をするのです」
なるほどと、言葉にでそうになったがとある人物を見て止まった。
「おばあちゃん?」
参列してる人物のなかに見慣れた姿がそこにあった。
正確に言えば、病院で衰弱してく姿でなく、元気で私とよく外へ遊びにいってくれた姿。
そんなおばあちゃんが私の側へと歩いてくる? いや、飛んできた。
「大丈夫かい? ここじゃなにもあげられるものがなくてごめんね」
優しい顔だった。
「天国だから?」
「そうね。優しい世界なの」
差し伸ばされた手を掴むと私は自分の遺影?の前へと進んだ。
そして振り返させられた。
「あっ……」
たくさんの人が私を見て、笑ってた。
「この少女はこれから新たな旅立ちを迎えます。みなさまどうぞよろしくおねがいします」
さっきのお坊さんが私の側へと飛んできて、遺影を外しこちらへと向けてきた。
「受け取って」
おばあちゃんの言葉に従ってその遺影を掴むと、光の粒子が舞い始めた。
「こ、これ……!?」
肩におばあちゃんの手がのった。不思議と一瞬浮かんだ恐怖が消え去った。
光は炎のように遺影の下から上まで舞い、やがて遺影そのものを光へと変える。
「転生しました」
お坊さんの言葉で拍手がいたるところで発生する。
それとともにおめでとうという言葉もあがった。
「じゃぁおばあちゃんと行こうか」
『どこに?』と聞く前に私の身体は宙に浮き始める。
「いいところ」
おばあちゃんの手を握ると、私は空をかけてた。
あたらしい世界 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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