とある男の祭り

バブみ道日丿宮組

お題:プロの男祭り! 制限時間:15分

とある男の祭り

 男性ばかりの街で行われる男祭りに興味があったとはいえ、もうちょっとやりようはあったんじゃないかと自問自答したくなる。

 収穫があったにしろ……あんまり芳しくない。

「ーー準備できたか? 入るぞ」

「ま、まだだから入ってこないで!」

「わかった」

 なんとか間に合った。部屋に侵入されちゃ正体がばれてしまう。せめてお祭りに参加してる途中なら……あるいはいけるかもしれない。けれど、この際どい服じゃ女だというのは隠せない。

 一応……胸全体を締め付ける布類は持ってきてる。

 お祭りの間だけならなんとかなるかもしれない。

 だけど……部屋の外で待ってる知り合った男性にはどうだろうか。

 異性が向ける特殊な瞳をしないとは思う。とはいっても確実じゃない。

 人というのは見れないから見ようとして、見えるものは気にしない。まるで天の邪鬼のような動物。なら、隠そうとせずそのまま服を着る……?

 駄目だ。

 そこまで大きくなくても膨らみはある。

「まだかかるのか? 着るの手伝おうか?」

「だ、大丈夫、もうちょっと待ってて」

「あぁ。祭りが始まるまで後少しだから急いでくれ」

 苛立ちのない声色だから怒ってないとは思う。それにしたって待つのにも限界がある。そう……部屋に突入されて、あられもない姿を見られてしまうのはかなりの失敗だ。

「……っ」

 胸を締め付けるのはかなり苦しかった。

 だけど、姿見で見る分にはかなり平になった。これでお祭り用の服を着込めばいけるかもしれない。いや……いってほしい。

「お、おまたせ」

 扉を開けると、半裸の男がたってた。

「なかなか似合うじゃねーか。暑かったら脱いでもいいんだぞ?」

「いやいや……僕みたいな貧相な身体を出すより、あなたみたいな人が露出してたほうが祭りは盛り上がるでしょう」

「たしかにそうだな」

 ばしばしと背中を叩かれた。

「じゃぁいっちょいくか!」

 頷く僕はバレてないことに安堵しながら、先を進む男性の後を静かに追いかけた。

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とある男の祭り バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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