こうしてそのような結果を迎えた
バブみ道日丿宮組
お題:殺された彼方 制限時間:15分
こうしてそのような結果を迎えた
「夢であればよかった」
血まみれの現場で彼はぽつりとつぶやく
「そうであればこんな結末を迎えることはなかった」
それに返す言葉はすぐに浮かんだ。
「だけど、これが現実」
いいものではなかったが。
「あぁ、そうだ。虚しい想いを抱くことはなかっただろう」
肩越しに振り返った彼の顔はひどく疲れてた。
「彼女を殺したのは必然だと?」
ここにくるまでいろんな考えが僕の中で巡るに巡った。
それでも答えは出なかった。
「あぁ、必要であった。そのために彼女を殺した。痛みを与えた」
「それは犯罪だ。他にやりようはあった。助けることもできたはずだ」
動かない死体は蘇らない。そんな空想は現実に存在しない。
殺したのであれば、人は死ぬ。怪我を負わせたのであれば、人は死なないかもしれない。そして元気であれば、人は死なない。
そえは自然の摂理で変えるためには決意を持たなければならない。
「過去は変えられない。これをはじめたの彼女であって、私ではない。そのことは知ってるはずだが」
「わかってる」
彼女がしたことは到底許されないこと。どんなに騒いだとしても罪になることはないだろう。
だが……死体となった彼女は違う。
彼が彼女を殺したーーその理由を人は求める。そうして明るみに出る。とてつもなく暗い場所にあった真実が産声をあげる。
「自首はしない?」
「したところで罪が消えるわけではない」
でも……刑期は短くなる。
「そんな顔を返されても変わるものはない。遠い彼方まで逃げてみせるさ」
「逃げられるわけがない。警察はどこまでも追いかけ続ける」
「それが負った罪で、しかたのないことだ」
彼はいっぽずつ僕に近づいてくる。
「君が黙っていてくれれば多少は時間を稼げる」
「……黙ってろっていうのか?」
手が届く距離まで彼は近づいてくる。
「あぁきっと君ならそうしてくれる」
「……お見通しってわけ」
「長い付き合いだ。わからないわけじゃないだろう。だからこそ、この場所にたどり着けた」
嫌な経験値だ。
「なら、その包丁をかして」
「どうかするのか?」
「時間を稼いであげる」
そして僕は警察に捕まった。
面会にきた彼はとても悲しそうな顔をしてた。
こうしてそのような結果を迎えた バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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