瞳のちから

バブみ道日丿宮組

お題:調和した瞳 制限時間:15分

瞳のちから

 お嬢様の瞳は、宝石のようにいつも輝いてる。

 そのせいかーー人は視線をまず合わせようとしない。

『魂が抜かれる』『呪われる』『美しすぎて目がいかれる』

 さまざまな理由を聞いてきた。

 けれど、執事である僕には関係のないこと。

「お嬢様、昼食の準備の用意できました」

「お嬢様は二人きりの時はやめてって言ってるでしょ」

「ですが……」

 視線力が強くなった。怒りの感情だ。

「わかりました。口調だけはナチュラルにします」

「妥協点ね。今日のお昼は何なのかしら?」

「とある学校のヤンキーを煮込んだものになります」

 お嬢様は口端を大きくあげる。

「そう、そうそう。実にいいわ。これで悪はまた1つ滅んだのね」

 静かに頷く。

 お嬢様の食事は人だ。人であったものの身体を食べる。特に瞳をお嬢様は気に入ってる。

 他の執事たちは、瞳の力を補充してるとかなんとか話してる。

「はい」

 両手を差し伸ばしてくる。

 いつものやつだ。

 お嬢様の側まで近づいて、かがむと彼女は首を僕に回してきた。僕はお嬢様が落ちないようにお姫様抱っこした。

「やっぱあなたに抱きしめられるのはとても気持ちいいわ」

「それは良かったです」

 僕も役得感いっぱいだ。

 お嬢様の瞳に皆注意を促してるが、肉体のプロモーションも気にしたほうがいい。

 柔らかい肌、ぷりぷりしたふともも、絶妙な大きさの乳房、安産型のおしりと、かなりの点数をつけられる。

「ねぇ今日は一緒に寝てくれるの?」

「そうですね。ヤンキーを倒した褒美が欲しいかもです」

 お嬢様は嬉しそうに笑った。

 その瞳は僕をどこまで連れて行ってくれるのだろうか。

「なら、お昼はきちんと食べないといけないわね」

「栄養価ならあると思います。弱いものにイキるぐらい力があり余ってたくらいですし」

 お嬢様の満足そうな顔を見ながら、食堂へと僕たちは行った。

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瞳のちから バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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