かのじょのしごと
バブみ道日丿宮組
お題:破天荒な就職 制限時間:15分
かのじょのしごと
友だちの娘が嫁にきてからはや2年……。
「仕事変えようと思うの」
「いきなりだね?」
かれこれ5年ほど、家で静養してる僕になにかを言う資格があるのかという苦が頭に過ぎった。
「今の仕事も面白いんだけどね、お父さんが紹介してくれたツアー業が面白そうなの」
ツアー業……、あれか旅行紹介するお店とか?
「世界をめぐる旅になるからしっかりついてきてね」
「通院どうしよ」
頭にすぐ浮かんだのはそれだった。
「そんなの世界中にたくさんあるから大丈夫でしょ」
随分と楽観的だ。
「私と結婚しようと決意したあなたならなんとかなると思うなぁ」
それを言われるとなんともいえなくなる。
かなりの決意力がいたのは当たり前だ。歳の差、倍近くある相手だ。考えることがたくさんある。
大学の頃から友だちは彼女を子育てしてた。
だから彼女は嫁よりも娘に近かい……そんな存在にまさか恋心を抱かれるとは思ってたもいなかった。
彼女と結婚したいと思ったのは友だちの影響は強い。僕のことを心配して、なんども家族の一員として付き合いをしてくれた。それもあって、彼女という存在が僕に刻まれた。
友だちに結婚の相談したら、『お前になら任せられる』って即答された。
その時の僕は既に静養中。
そんな僕に彼女を任せられるのかと自問したくなったけど、『それは娘がなんとかするから』と肩を叩かれたわけだ。
実際彼女は僕に尽くしてくれてる。
できた嫁さんだ。
愛はある。なければ結婚なんてしない。
「日本語しか喋れないけど、大丈夫?」
「今じゃ自動翻訳してくれるアプリもあるんだよ」
「確かに」
スマホで交互に話せば問題ないか。
「私も全然喋れないから!」
それは問題じゃないだろうか……少なくとも仕事する上で言葉は大事なコミュニケーションだ。それに僕が病的にやられたわけだけど……。
「大丈夫、大丈夫」
自慢そうに話す彼女は、実際世界を巡る旅で問題なく仕事をこなしてた。
かのじょのしごと バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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