第5話 友人がゲーム作ったらしい

 ねぇ、俺ゲーム作ってみたんだけど。


 おーすごぉいすごぉい、えらぁいえらぁい


 すごぉいとか、えらぁいとかを二回使うときは子供をなだめる時か煽る時だぞ


 今俺、赤点とって、明日の追試試験の勉強中なんだけど。


 あーそうなん、じゃあ世界設定からなんだけど


 俺の話聞いてた?お前はいいよな、なんかテキトーに授業受けるだけでテストのとれるんだから。


 いや、俺はフツーに塾で勉強してたから


 うらぎりものぉぉおおお、なんでいつもボケてるお前が真面目なんだよっ


 お前が日々勉強してないだけだろ、でさ世界観は中世ヨーロッパで王道RPGなんd


 小分けにして混ぜ込むなよゲームの話を、お菓子作りかよっ。


 まぁ、聞けってというかプレイしてみろって、今世界史やってんだろ、ちょうどいいじゃん。ワンちゃん勉強になるかもしれないぜ。


 ワンチャンなワンちゃんだと犬になるだろ。でもワンチャンじゃダメなんだよ、世界史12点だぞ。単純計算授業の12%しか理解してないってことだぞ‼


 ははは、でさこのディスクを


 おいおい、俺の会話をパリィするな、はぁわかったよちょっとだけだからな。


 じゃあ、これをパソコンに入れて


 はいはい、あ、これ外付けのやつないとだめだわ


 俺持ってるよ、はいこれ


 なんでポケットから出てくるんだよ


 俺のポケット車体総重量8t未満、最大積載量5t未満なら入るよ


 容量、中型車くらい入れる前提なんだ、ゲームよりそっちのほうが気になるかも


 まぁ、このゲームをやってみ、これがなきゃ外歩けない体になるぜ


 服じゃん、お前はこのゲームに服になってほしいのか


 服になってほしい?


 OK、わかった確かに俺が面白くなかった、よしっゲームをやろう


(ゲーム読み込み中)

 

 このアイコン押せばいいのか


 そうそう、この女の子かわいいでしょ


 かわいい‼


 このゲーム、有名なイラストレターに依頼して描いてもらったんだ


 すごいな、楽しみになってきたぞ。題名はなんていうんだ?


 やさいの国で愛を願う


 野菜⁉


 そう、世界観は中世ヨーロッパベースで主人公がパイナップル。その容姿から果物国だと非難されて野菜の国では肩身が狭い、かといって果物国の住人でもない。そんな主人公は同じ境遇で果物国でひけめを感じているアボカドとあって、その二つの国の垣根をなくそうと、いや細胞壁をなくそうと画策する物語。


 細胞壁じゃなくて垣根でいいけど、アイコンの女の子はどうした、詐欺だぞ‼詐欺‼それに有名なイラストレーターに野菜を描かせんな‼


 野菜たくさんあげたらのりのりで描いてくれたぞ


 あら、意外とまんざらでもない感じだな


 ほら、ローディング終わったぞ


 この初めからを押せばいいのか?


 いや、この画面の右上に書いてある小さいスタートボタンをおして


 なんでだよ‼、ストレートに初めからにしろよ。厄介な広告の×ボタンみたいにするな。


 ちなみに初めからを押したら野菜を刀で切るゲーム始まるぞ


 いいのかそれ、お前の世界観で言ったら大量虐殺だぞ


 始まるぞ、最初はパイナップルがいじめられているところからだ

 

 心無いんかお前は



ネギ「おい南国野郎、ふざけんな、おい、あのこのおい、ふざけんな、なあほうれん草」

ほうれん草「お、おぉ、ふざけんなよ、おい」

 


 いじめる側語彙力が絶望的にない‼こんなこと言われたってなにも傷つかないだろ



パイ「やめてよ、ネギ君。ピザや酢豚にはいらない子で、その汚い面を見せるななんて言わないで」

「「いってねぇよ」」



 パイナップルがやばいやつじゃん、それにパイナップルをパイと略すな‼…待てよその世界観で料理はどの立ち位置なんだろう


 こまけぇことは気にするな


 まぁ確かに野暮か



ネギ「G出せよ、持ってるんだろ、お~これは何だぁ~」

パイ「やめて、これは母さんの農薬のためのGです」

ほうれん草「ほら、やっぱり持ってるじゃねぇか」


 やっぱり金の単位はゴールドか?


 いや、グリーンピースだよ


 エンドウの子供がお金なのか⁉なんのうらみがあるんだ


 え、だって嫌いだし、ちなみにエンドウの一族は野菜や果物たちの手によって品種改良がされ自我消失、最小化、軽量化され、家畜化されたよ


 怖い、そもそも果物と野菜は仲悪いんじゃなかったのか


 その時代は、ね


 うわぁ、なんか闇ふかぁ、でもおもしろそぉ~


 だろ、中世ヨーロッパに合わせて土地制度や貴族社会を混ぜ込んだから


 おもしろそぉ~


(7時間くらいやった)


 おもしれぇ~、アボカドが自分の種を授けてパイナップルに未来を託すところガチアツだった。


 だろ、ネギが「俺を使え」って言って自分が武器になってパイナップルがネギの死を覚悟でゴーヤに切り込むところもアツかっただろ


 マジアツだった、ほうれん草が苦汁じゃなくて青汁をなめろていったとこもアツかった


 まぁ、確かに。すごくありがたいんだが明日大丈夫か?


 明日ぁ?…あしたぁ‼‼‼‼




 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る