そして今日も彼女は輝き続ける〜本気で声優に恋をした〜

一流の会社員になりたい

高校生編 前編

第1話決意の始まり

「「「リリ〜!!!」」」


熱気に包まれたライブ会場。

飛び交う観客の歓声や掛け声。

タオルやペンライトを飛び跳ねながら振り回す人たち。


「みんな〜!もっと盛り上がっていきましょ〜!」


そしてステージの上で歌いながら踊る彼女。


天真爛漫な笑顔。


可愛らしい仕草。


少しぎこちなさが残る、初々しいステップ。


艶のある髪につけてあるチャームポイントの黄色いヘアバンド。


そして透き通るような綺麗な声がファンの視線を彼女に釘付けにさせる。

かくいう俺もその中の一人だ。

俺−日比谷克己ヒビヤカツキは退屈な人間だった。

好きなこともやりたいこともない、

無気力でつまらない人間。

ただ親の言われたように勉強だけをして過ごしていた。

それが正しいことだと自分に言い聞かせ、

自分と向き合うこと、そして考えることを、


いつしか……やめていた。


それまで俺はそんな操り人形のような人生を送っていたんだ。

ステージ上の彼女と目が合う。

その時、彼女は綺麗な笑顔で俺に微笑んでくれた。

その笑顔は画面越しで見ていた笑顔よりも美しい。


ああ、やっぱりそうだ。


そんな灰色の人生を送っていた俺を君が変えてくれた。


君の夢を追う姿が俺に前に進む勇気をくれたんだ。


だから俺は君を応援し続けるよ。


たとえ君がどんなに苦しくても


たとえどんなに辛くても


君の輝きが色褪せないように……

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