第18記:禍夢
昨日の俺は疲れ果てていた。帰宅後、すぐにシャワーを浴びた。タスケチェスを指す気力も、日課(腕立て伏せ)を行う元気もなかった。
入浴後、ささやかな夕食をしたためた。食前にウイスキーの水割りを呑んだ。酒肴は、近所のスーパーマーケットで買ってきた惣菜類である。
刺身が妙に安かった。いや、安過ぎた。一応「盛り合わせ」ということになっているのだが、どこの海で獲れた魚たちなのか、よくわからない。深く考えると怖くなるし、何も食べられなくなるので、途中でやめた。
翌日(つまり、今日)。平日と同じ時刻(朝の5時)に起きた俺は、台所に行き、湯沸かし器にミネラル水を注いだ。愛機を起動させて、ぴよぶっくを呼び出し、編集作業に没頭。ダサク2頁、ダブン1頁、計3頁を投稿した。
ダサクの414頁を投稿してから、簡単な朝食をしたためた。某局のワイドショーを(ラジオで)聴きながら、どら焼きを食べ、コーヒーを飲んだ。
今朝の話題は、異郷の観光客を狙った騙し行為(卑劣!)であった。世の中には、とんでもない奴(奴ら)がいるものだ。おちおち道も歩けません。
♞以上は5月3日の日記の一部。刺身が好きである。またぞろ、どら焼きを食べている。
眼が覚めた。枕辺の時計が「朝の6時」を示していた。覚醒の直前まで、異様な夢を見ていた。宇宙人が地球に攻めてくる夢である。夢が怖いのは、見ている本人が「役者」の一人として「舞台」に登り「芝居」をしなくてはならないからだろう。他人事ではないのだ。
映写の途中で「ああ、これは夢だな……」と、気づく場合もある。気づかない場合は「まぎれもない現実」として認識している。あの凄さ、あの禍々しさは、いかなるスペクタクル映画でもかなわない。
今朝の夢はなかなか手が込んでいた。火星人や戦闘マシンが具体的な形として、俺の視野に現れることはなかった。なかったが、敵の侵略が、着実に進行しているのは確かだった。
稲妻めいた閃光がきらめき、隣接の町々が、粉微塵に消し飛ぶ様子は、悪夢的な光景であった。夢なんだから「悪夢的」に決まっているが……。
次に破壊されるのは「俺の住む町の番だ」「俺の住む町の番だ」と、恐怖に震えている内に、異形の世界から解放された。真に恐ろしい夢であった。
♞以上は5月7日の日記の一部。この夢のベースは、小松左京の『見知らぬ明日』だと思われる。
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