こんなにも空が青いのは


 海の色が反射しているからなんて


 そう信じるともなく信じていたあの頃


 梅雨明け宣言とともに気分も晴れて


 まとわりつく熱い風を引き剥がし


 ギラつく陽が照り返す、白い校庭を走ってた


 金属音から放たれる放物線


 野球のルールなんて知らないけれど


 全速力でボールを追うキミの後ろ姿に


 なぜだか涙が出るほど胸が震えた



 また、夏が来る



 こんなにも海が青いのは


 空の色が反射しているからなんて


 そんなロマンチックなことではないと知っている今


 梅雨明け宣言がされたところで


 ジメジメとした熱い風は肌にまとわりつき


 ギラつく陽が照り返す、アスファルトの歩道を小走りしている


 金属音から放たれる放物線


 野球のルールはまだ知らないけれど


 全速力でボールを追うキミの後ろ姿に


 なぜだか涙が出るほど胸が震えている


 当たり前に来ると思っていた夏


 ジメジメして


 暑くて


 ウンザリもするけれど


 また、夏が来た平凡に


 ほっと息をつく

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