　私には地味に昔から悩んでいることがある。

　それは「お腹が鳴ること」。静かかつ、緊張しやすい場所に行くともうお腹にカエルでも飼っているのか？というくらいな音量で鳴る。お腹が鳴ることが気になり始めたのは中学校に入学したころからで、確か授業中にお腹が鳴り、隣の席の子にめちゃくちゃガン見されたことがきっかけでお腹が鳴る＝「恥ずかしいこと」という感覚になったように思う。

　授業中にお腹が鳴ることが本当に嫌で朝ごはんもしっかり食べるようにしていたし空き時間にお菓子をつまんだりと、どうにかお腹が鳴らないように試行錯誤していた。だが、それでも鳴るのだ。私のお腹は。学校の静かな授業中、テスト中、面接時の筆記試験、静かな職場...そして現在も。何が辛いってお腹が鳴りそうなことが気になりすぎて目の前のやるべきことに全くもって集中できないのだ。頭の中が「どうやったら鳴らないようにすればいいのか」という焦りで支配されているような気持になる。

　現在の会社はIT系で比較的PCで黙々と作業している方がほとんどなのと、コロナ禍の影響で在宅勤務している方が多く、出社しているのは私も含めて数人程度でとても静かな職場である。もともと人と話すのが苦手なので、和気あいあいとした雰囲気の職場よりは断然気が楽ではあるが、静かすぎると緊張でお腹が鳴りやすくなるのでつくづくないものねだりだなと自分でも思う。

　あまりにも集中できないので簡単な仕事しかしていないはずなのにとんちんかんなミスをしたり、業務時間内に仕事が終わらず結局家に持って帰って作業したり。自分でも一体何をやっているのだろうと思うし、一番リラックスできる家で在宅勤務できることがベストだが、能力も信用もない状態なのでまずしっかりと業務をこなせるようにならないとそんな希望叶わないのだろう。