プロローグ 俺が過去転移することになったワケ 中編

 気がつくと、オルトーは机に突っ伏していた。


「寝てたのか、、」


オルトーは頭をあげようとする。


「うっ、、、、いでで」


すると頭に痛みが走った。


「ったくなんだよ、、勘弁してくれよ、ただでさえこの『願望の書』が解読できなくて困ってんだから、、、、、?、、え?」


オルトーは謎の違和感を覚えた。なぜ、自分はこの本の名前が分かったのだろうか。


オルトーは夢でのことを思い出す。


「そうだそうだ!あの、、そう、、なんだったか、、、、、そう!カルアか!


あいつ、やっぱ神だったなかなぁ、んー、でも自分の覚醒って可能性もなぁ、、」


引きこもって人間不信で、現実的な脳をしているオルトーには、あの、the女神な格好が胡散臭くて仕方なかった。


しかし、何もしないのも無駄である。


オルトーはあの薄い本を開く。


表紙を捲ると、


『モテない男に‼︎本番まで行けない君に‼︎

   絶対に美女を落とす。

     これで君もホテル王だ!」


 〜女を落とす17の方法〜


「え?」


オルトーは少し考える。疑問の答えを導く。


すると、オルトーの頭にはある言葉が現れた。


((((((((((((ただのエロ本じゃねーか!!)))))))))))))


伸び悩んだ美容系投稿YouTuberの最後の手のような、タイトルの本の1ページ目にオルトーは驚愕した。


「ねぇ!この本俺のこと煽ってる?ねぇ!煽ってるよね?ねぇ!てかホテル王って何??その辺の宿屋にも、恥ずかしくて泊まれ無い俺に急にホテルを勧めるなよ!てかあれですか?『普通の人間は、宿屋くらい泊まれますよ笑』てことですか?あーあ、俺を怒らせたな?この本書き換えてやろうかなぁ?おい!」


それ、人の本だぞ。


オルトーは、いつになくキレていた。それもそのはず、いつもオルトーの元に届くのは、貧民層からの伝記、歴史書、家宝などだからだ。


そのなかには、『あの伝説の剣エク○カリバーのありか』、とか、『シェフ直伝!キザの○菜調理法』

とか、変な本しか届かない。


よく考えれば、そこまで過激な本ではない。


しかし、引きこもりには大きすぎる打撃だった。


オルトーはしばらく悶えたのち、次のページをめくる。そのページは、ページの真ん中に1文書いてあるだけの簡素なページだった。


だからこそ、オルトーは期待をしていた。実はこのページにタイトルが書いてあるのではないか、これがわかれば、あらかたわかるのではないか、と。


オルトーは文に目を移す。


そこには、















うっそぴょーん!そんな方法なんて

               ナイナイ














                      』




おいおいカルアさん、やめたってくれよ。




オルトーは、半泣きになりながら、無言で他の本の作業をした。


追加の本も来たので、半ばヤケクソで翻訳をした。


そして、最後のあのエロ本()だけが残る。


「はぁ、、、、あとこれだけだし、ちゃっちゃとやるか、、、」


オルトーはあのページは飛ばして、その次のページに目を動かし、読み進めていく。そして、オルトーは困惑した。


「ん、これ、なんで書いてあるんだ?あ、縦読みか?」


急に縦読みになった文に驚いたが、また、読み進める。これが彼の仕事だからである。


「んーと、、『汝、叶えたい願いがあるなら、

 この呪文を唱えたまえ"ミラクル・ホープ"?


すると、オルトーの視界が、真っ暗になる。

しかしその時間もそこそこに、光が溢れ出す。


「なんだ?」


そして、あの、例の女神の声が聞こえる。


「待っていましたわ。オルトー。さあ、こちらはどうぞ。」


しかし、オルトーは動かない。


「どうされまして?ほら、こちらへおいでなさい。」


しかし、彼は動かない。


そして、3分ほど経ったのだろうか、

痺れを切らしたカルアが、オルトーのところへ行こうとする。そのとき、オルトーが震え出し、一言。


「え‼︎?、ここどこぉおぉおおおおおおぉおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」






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