劣等職 錬金術士(アルケミスト)の最強パーティ
村井拓磨
プロローグ~全てのはじまり~
第1話 ワールド オブ ジェネシス
ピピピピッ!ピピピピッ!………
6畳間のアパートに目覚まし時計のアラームが鳴り響く。
「んっ………んん~!!」
寝ぼけざまに布団から手を伸ばし、目覚まし時計を手探りで探しあてボタンを押し、アラームを止めた。
「んん~!!はぁぁぁっ………」
上体を起こし腕いっぱいに伸ばしながら大きなあくびをし、眠そうな瞼を開ける。
「おしっ!!」
気合を入れるとベッドから出て急いで洗顔と歯磨きをし、素早く着替えまで済ませる。
普段、平日で大学があるときは頭を使うので朝食はしっかり採るように心がけているが、土日・祝日や大学が無い日は基本的に朝食をとらず、昼過ぎまでぐうたら生活をしている。
しかし、今日の日曜日は違う!それは、待ちに待った待望の新作VRMMORPGのリリース日だからだ!しかも、このゲームは最新技術の独立型AIシステムを導入した全く新しいタイプだ。
モンスターは自然繁殖し、NPCと言われるゲーム内の人々も従来のゲームとは違い、意思を持ち行動している。
そんなゲームを早くやりたい!と言う逸る気持ちを抑え、まずはしっかり腹ごしらえをする。
腹が減ってはなんとやらと言う言葉がある様に、プレイ中に空腹で中断するのは俺の中ではありえない!!
だから今日はしっかりと朝食を取ってからゲームに挑む。
また、俺は今日この日の為に課金するお金をバイトしながら生活費も切り詰めて頑張って貯めてきた………
(まぁ、実際こんなんだから、彼女は全然出来ない。でも、自分で言うのもあれだけど、容姿は意外と良く自慢じゃ無いけど結構女の子から言い寄ってくるのは事実だ。)
朝食を済ませ、早々とPCの電源を入れ立ち上げる。フルダイブ型のヘッドギアゲーム機をUSBで繋ぎ、新作VRMMORPGのワールドオブジェネシスをダウンロードする。
ゲーム機のLEDの点灯が赤から緑へ変わった。ダウンロード完了のシグナルだ。
PCからゲーム機のUSBを抜き早速、頭にかぶりベッドに仰向けになり準備完了だ。
「リンクスタート!!」
その掛け声でゲームがスタートした。
「最初は設定画面か………見た目はリアルそのままで性別も固定か。ゲーム機のセットアップ時の設定がそのまま使われているのか………んじゃ、名前ももちろん………」
キャラクターの名前にはリアルネームの獅堂創(しどうはじめ)と書かれていた。
「流石にリアルネームはきついよな……ん~何か良い名前ないかなぁ………」
ゲームを始める初期設定から創は躓いていた。
「まぁ、創は入れないで獅堂の獅を捩るか。あと、何か無いかな………今日の日付は2月14日か………バレンタインデーか………おし!決めた!レオ・バレンタインにしよう。」
名前が決定すると次はスタートする国を決める画面へと移る。
「俺がやりたい職業は錬金術士(アルケミスト)だ。なんと言っても特有のスキル[ホムンクルス]があるからだ!俺は………可愛い俺専用のホムンクルスを作りたい!!」
ゲーム機を付け仰向けになっているが拳をギュッと握りガッツポーズをしている。
端から見るとただの変体にしか見えない。
だが、俺はこのゲームがリリースする前からこの気持ちは変わらない。
絶対、錬金術士(アルケミスト)意外はありえない。
「えっと、スタート地点はっと………」
創はチュートリアルの説明で各職業のスタート地点を知る。
まず、世界には国や町が多々あり、職業別にスタート地点が違うらしい。
騎士・回復職の職種に就きたいなら世界地図の中心にあるソレイユ大陸の中心に位置するプロヴィデンス王国、魔法・召喚職なら同じ大陸の西側にある神秘の森に位置する魔法都市アルカナ、製造・商工職ならソレイユ大陸の南側に位置する港都市ブローキア、狩人・暗殺・格闘職なら港都市ブローキアから南へ海を渡った所に位置するプロッド大陸の山岳地帯にある山岳都市ブロイだ。
ここまでは各職業の性質を考えてのスタート位置なのなら納得がいく。
しかし、何故か製薬職だけはどの国からも遠く離れた場所に位置する、海に囲まれた小さな島で名はフォスカ島だ。
その島の中で唯一、存在する田舎町マキアがスタートみたいだ。
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