第2話

 ひとりひとり違うということは

 わかっている



 追いつめられていることに気づいてもよさそうなものを





 胸の深くにしずめた こころのまわりに

 重く 渦巻く

 黒い霧



 わかってほしい


 察してほしい


 みとめて欲しい


 つぎつぎに望むことが砕けるたび

 たちこめる黒い霧がこころをしめあげている



 少しやすめばいい 望むことを



 黒い霧はきえないものではないから



 晴れるまで待ってもバチは当たらない


 それなのに


 黒い霧にしめあげられてカタカタ震える

 こころ


 うつむき下唇を噛む

 自覚のないあいそわらい

「……けど〇〇しなくてはいけないから…」



 追いつめられ方はそれぞれちがう



 今すぐ自分のためだけのことをしよう



 黒い霧がきれいに晴れるまで




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