008 イナカダンジョン

 俺は村長から貰った地図を頼りにイナカダンジョンの近くまで来た。


 たしかに、イナカ村とはそれほど離れていない為、イナカダンジョンからモンスターがあふれ出した場合、村に被害が出る可能性は高い。


「この目印を見つけたら、そろそろイナカダンジョンの入り口が見えるはずなんだが……げっ!」


 思わず変な声が出てしまった。ダンジョンの入り口は見つかったのだが、その入り口の洞窟は何故かゴブリンで詰まっていた。ゴブリン達は必死に出ようともがいているようだが、入り口が隙間もないほどみっちりとゴブリンで詰まっている為、1匹も出られないようだ。


「気持ち悪いな……これどうやって倒そうかな」


 逆に考えれば、経験値が身動きもせずに待ってくれているのだ。美味しい経験値である。


「パイソン」


 手のひらに【パイソンの書】が召喚される。白紙のページに呪文を書き込む。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

for count in range(1000):

  print('剣を振るう')

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 そして、魔剣テンペストブリンガーを装備した状態で、スキルを実行すると何も考えなくても剣を振るう。ゴブリン達はなすすべなく切り刻まれていく。


 入り口に詰まっていたゴブリン達が消えると、洞窟の奥から更に大量のゴブリン達が走ってきた。再度、スキルを実行するとゴブリン達は次々に剣に斬られていく。


『レベルアップ! レベルが102になりました』


 洞窟の入り口で剣を振っているだけで経験値が貯まっていく。


「これは楽でいいな〜。まぁ、後で腕が筋肉痛になるのは間違いないんだけど」


 ゴブリンが出てこなくなったので、洞窟の奥に進むと次の階層に降りる階段があった。


「そして、ここもか……」


 ゴブリンソードマンがみっちりと階段に詰まっていた。先程と全く同じ方法で倒しまくった。


『レベルアップ! レベルが103になりました』

『レベルアップ! レベルが104になりました』

『レベルアップ! レベルが105になりました』



 ゴブリンソードマンが居なくなったので奥に進んでいく。


「まさかな……」


 はい、そのまさかでした。次の階層に降りる階段はみっちりとゴブリンアーチャーで詰まっている。


「だが、アーチャーは同じ方法で倒すとマズい気がする。少し方法を変えてみるか」


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

for count in range(1000):

  print('アイテムボックスから石を取り出す')

  print('石を投げる')

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「よし、これでいけるはず」


 実行すると、階段に詰まっていたゴブリンアーチャーに次々と石が当たり、階段がキレイになった。すると予想していた通り、階段の先の通路からゴブリンアーチャーが何百匹も現れて矢を放とうとする。


「だが、こちらのほうが速い!」


 ゴブリンアーチャーが矢を放つ前に、こちらの石がゴブリンアーチャーの頭部に命中する。


『レベルアップ! レベルが106になりました』

『レベルアップ! レベルが107になりました』

『レベルアップ! レベルが108になりました』

『レベルアップ! レベルが109になりました』

『レベルアップ! レベルが110になりました』

『レベルアップ! レベルが111になりました』


 ゴブリンアーチャーの階層はキレイになった。


 もうここまで来たら次に何が起こるかは分かっている。


「やっぱりな……」


 次の階層に降りる階段にはゴブリンジェネラルがみっちりと詰まっていた。俺は剣の攻撃に切り替えてスキルを実行する。


『レベルアップ! レベルが112になりました』

『レベルアップ! レベルが113になりました』

『レベルアップ! レベルが114になりました』

『レベルアップ! レベルが115になりました』

 …………


 数え切れないほどのゴブリンジェネラルを倒し、数え切れないほどのレベルが上がった。


「ちょっともう既に腕が痛くなってきたぞ、次の階層を見たら帰ろうかな?」


 そう言いつつ次の階段にたどり着くと、そこにはゴブリンキングが詰まっていた。


「次で最後だ! もし続きがあっても俺は帰るからな!」


 気力を振り絞ってスキルを実行。


『レベルアップ! レベルが156になりました』

『レベルアップ! レベルが157になりました』

『レベルアップ! レベルが158になりました』

『レベルアップ! レベルが159になりました』

『レベルアップ! レベルが160になりました』

『レベルアップ! レベルが161になりました』

 …………


 普通はダンジョンのボスとして出てくるゴブリンキングをまるで雑魚かのように大量に倒してしまった。その結果、大量のレベルアップを達成した。


『ダンジョン攻略報酬 経験値を獲得』

『レベルアップ! レベルが200になりました』

『スキル パイソンのレベルが1上がりました』


「うおー! パイソンのレベルが上がった! さっそくステータスを確認してみるか」


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 ラング 17歳 男

 レベル:200

 HP:2000(10✕200)

 MP:3000(15✕200)

 攻撃力:400(2✕200)

 守備力:200(1✕200)

 器用さ:200(1✕200)

 素早さ:400(2✕200)

 知 性:200(1✕200)

 幸 運:200(1✕200)

 スキル:パイソンLV3、貧乏LV10、剣術LV2

 バ フ:攻撃力向上LV1 (+50%)、守備力向上LV1 (+50%)、素早さ向上LV1 (+50%)


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 レベルが200に到達した。このダンジョンに来て良かった。もう帰ろう。今すぐ帰ろう。ゴブリンが詰まる前に!

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