第6話


 古門戸まりあは自問自答を繰り返している――



「本人が告白した通り、加々村一朗太を殺害した犯人は加々村正蔵」


 これは間違いない。


「被害者の靴は屋敷にあった。被害者が靴を履いていない状態で発見されてる。つまり被害者が加々村の屋敷で殺害されたということ」


 だから、


「必然、最有力容疑者は、正蔵になる」


 けれど、


「正蔵には、被害者の死亡推定時間に鉄壁ともいえるアリバイがある。その正蔵が犯行を自ら認めたのはどうして?」


 そして、



「解かなければならない謎がもうひとつ――」


 すなわち、


「――犯人は、被害者を、どうやって発見現場まで運んだのか?」










「このふたつの謎の答えは対になっている」

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