〈Downside〉

渚鳥

1.インスタントコーヒー

いつからか私はその味を、絶望が溶けているようだと思うようになっていた


彼と別れてからはまるで生まれ変わったようだったのに


諸悪の根源を絶ったはずなのに、今日もまた眠りの質が悪かった


医者は言う

ここから悪くなる人もいます


いつまで、いつまでもか

病はまるで呪いだ

誰にも言えなかった


両親には確かに愛されていたらしいのに

私自身は人を愛したことなどなかった


今日も絶望のお代わりを注いでいる


生きている体に

何を与えたらいいのか分からなくなってしまって

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