ちから
バブみ道日丿宮組
お題:最弱の天井 制限時間:15分
ちから
天井を迎えたものはそれ以上の成長はない。
最弱と呼ばれた彼は、最底辺に近い能力しか得ることができなかった。
だからこそ、努力してその方法を探した。
見つかったのは、天井を他人と交換することであった。
やり方は簡単な儀式をして、一夜を過ごせばいいことだ。これは男でも女でも変わらない。肉体関係を持たなければ交換は起こらず、ただ気まずい空間を作り出すだけだ。
「お兄ちゃん、本当にするの?」
「あぁ、それでお前も皆からへんな視線を浴びることがなくなる」
最愛の妹と肉体関係を結ぶのは兄である彼であってもとまどいはあった。
けれど、力がほしいという欲求には勝てなかった。
いや……妹の魅力に勝てなかったというのが正しいのかもしれない。
妹はすらっとした体型に、小柄。くりっとした目は愛着がわくもので、口元はつやつやとしててみずみずしい。胸も女性らしさある大きさ、お尻は健康体。
へたなエロ本を見るよりもエロいとも呼べるのが彼女であった。
「大丈夫、俺もはじめてだから」
「そ、そういうことじゃないよ?」
彼の手が彼女の身体を解してく。
その手付きははじめてというには怪しい動きである。
「ん、ん。ほ、ほんとうにしちゃうんだね?」
「あぁ、そうしなきゃ俺は俺をはじめられないから」
止まるわけにはいかなかった。
最強と呼ばれる人間に少しでも近づくために、運命に抗うために。
「もう兄さんはしょうがないなぁ。どうせなら恋人にして?」
「責任は取る。なんだっていうことをあとで聞いてやる」
そうして彼は柔らかい妹の感触を味わいつつ、一つになった。
彼はそれ以降討伐任務で名を馳せる英雄となった。その隣には婚約した妹をいつもはべらせて幸せそうにしていたそうだ。
最弱から最強へと変貌した彼であったが、子どもができたときには後悔することになる。
力は遺伝するものだとーー。
ちから バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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