純白の錬金術師
バブみ道日丿宮組
お題:純白の錬金術 制限時間:15分
純白の錬金術師
「ねぇその使い方間違ってないの?」
「そんなことないよ」
首を傾げる幼馴染の顔に迷いはない。
「私もさ、下着買わなくてもいいからいいんだけど……さ」
幼馴染は錬金術師。なんでも作れる特別な存在で、街でもそこそこ名前が売れてる。
学校じゃ異端扱い。
ほら、あまり尖ってると人は敬遠しがちでしょ? 本人は気にしてないみたいだけどね。
と、まぁ街のことはどうでもいい。
大事なのはその錬金術師さんの異名。
ーー純白の錬金術師。
幼馴染はそう呼ばれてる。
それは下着を大量に売ってるから。もちろん、錬金術で作ったもの。なにげに使い心地もさわり心地も良い。ちなみにブランドとして獲得してる。
「今度の新作は君もきっと満足できるやつだから」
手渡されたのは白い布ーー下着。
「ほら、はやく着て」
「さ、さすがに同性でも全裸になるのは恥ずかしんだよ?」
「そういうのいいから、いつものことでしょ」
ほんと精神が図太い。
異端と言われ続けても、やめないあたりほんと強い。私だけは側にいてあげようと思うのは、自画自賛のことかもしれない。
「はぁ……わかった。せめて後ろ向いてて」
「ん、ボクも試したいことがあるから」
そういって幼馴染は背中を見せる。
とても小さい背中だ。触ってしまった壊れてしまいそう。
「……ふぅ」
着替えは数分も経たずに終わった。
そもそも下着だけ交換するのにそんな時間はかからない。
というより、サイズぴったりで作る幼馴染は少し怖い。
成長期で多少のブレはあるだろうに今のところそんなことは起きてない。
幼馴染のサイズが小さいことはわかってるのだけど、具体的な数字は知らない。
「終わったわ」
「どれどれ……んっ。いいね。ぴったり」
「そ、そうかな」
上と下、きちんと下着は着てるけれど、それを凝視されるのは変な感じがやっぱりする。
「後ろを向いてもらえる」
「わかった」
指示に従って幼馴染に背中を向ける。視線が上から下と動くのを感じる。
「うん、狂いなくできてるね。これで発注しよう。もう服を着ていいよ」
「新しいデザイン変わってるね?」
「そう? 最近はやりの花模様にしただけだよ」
満更でもなさそうな笑みを浮かべる幼馴染はやっぱり可愛かった。
同性でなければ、アクションを起こしたんだけどなぁ。
純白の錬金術師 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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