パイロットから派生して

バブみ道日丿宮組

お題:官能的なパイロット 制限時間:15分

パイロットから派生して

「マッハ近くの速度で飛ぶことのできるパイロットには、スカートがめくれた瞬間がスローで再生されるらしい」

「そんなことないでしょ。ジェットコースター好きな人でもできそうじゃない」

 ため息がもれる。

「ジェットコースターとは速度が違うよ。下手したら死ぬレベル」

「いやいや……ジェットコースターでもそうだから」

 速度が出てなくてもなんらかの理由で人間は死ぬものだ。

 他の動物よりも実のところ死にやすい。繁殖もしやすいともいえるが……きちんと育てられる人間が減ってるのも事実だ。

「深刻そうな顔してるけれど、どうしたの?」

 心配そうな顔を向けられた。

「この国の赤ちゃんの今後を考えてね」

「僕らにはまだ子どもは早いと思うよ」

 何を言ってるのだろうか。

「私たちは別に付き合っていないでしょ」

「でも、毎日一緒にいるよね? 食べる時、眠る時、移動する時」

 そう言われるとそうだ。

 私たちはずっと一緒にいる。

 それは幼い頃からの習慣みたいなものだ。

 片親が同じということもあって、私たちの家族は同じ家で生活してた。

「それはそうだけど、そうはならないでしょ。血が近すぎて駄目だわ。兄弟みたいなものだもの」

「平気だよ。僕、君のスカートめくりたいし、下着をいつも嗅いでるから」

 なんていう暴露だろうか……聞きたくなかった。

「ほ、ほんとうのこと?」

 思わずキョドる。

「うん、小さい頃からいい匂いがしてたからさ、好きなんだ。一緒にお風呂入るのも好きだったよ」

「そ、そう……」

 そんな風に思われてたのか。知らなかった。

 でも、今知った。これからの対応はどうしたらいいのだろうか。私はそういう風には見れない。兄弟とも思わないけど、身近にいる自分みたいな人間のように思ってる。

「今から一緒にお風呂入ろう!」

「どうしてその発想になるの? パイロットの話だったわよね?」

「そうパイロットの話だね。羨ましいなぁって思ったんだ。そうすれば君の一瞬一瞬を脳で再生できるから」

 これは純愛なのだろうか、それとも重い愛の話なのだろうか。

「ほら、行こ」

「……まぁお風呂くらいなら」

 いいかなと、彼の手をとって風呂場へと向かった。

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パイロットから派生して バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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