第11話
すぐにそうだと気づいた僕は、真っ先に行動を開始した。
まずはあの女狐のものを少しずつ壊したり奪ったりしていく。僕の大地を騙した罪は重いぞ。
そんな思いを込めながら。
しかし、数日かけてそれを行っていたのだが全くもって効果が現れない。
以前と同じように振る舞い、そして同じように過ごしている。それどころか、無くしたり壊したりした物を隣の席の大地に借りて、より仲良くなっているほどだった。
僕は、次の行動に出る。
『今日、一緒に帰ろう?』
『おう、いいぞ、すみれ』
僕はその会話の内容を聞いて思わず笑みを浮かべてしまった。
僕の席は、大地の前。つまり大地達の会話はいやでも耳に入ってくるわけで…。
そして僕はその日、女狐の靴を水で濡らした。
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