第123話
「今日は楽しかったね」
夕暮れで片付けの準備をしている俺に美海は目を細めた優しい微笑みながら言った。可愛すぎる。これが天使か。ちなみに結果は俺たちが最優秀賞を取った。そして小説の売り上げもかなり良く用意してた分は売れた。そして予約も殺到し、重版が決定した。ようやく日の目を見れる感激したものだった。コスプレ喫茶の売り上げも好調でチョキの分ももらえるから今日だけで四万は稼いだ。労働をして良かったと感じた日はこの日だけだった。
「そうだな、お金はたくさんもらえるし、周りのレベルの高い文化祭の催し物を楽しめたし、なにより美海と一緒に回れたのが良かったな」
森田には悪いが欠席してくれて良かったわ。じゃなければ演技をする楽しさもしれなかったし。スカウトもされなかっただろう。劇に出ることでデビュー作で美海と同じアニメに出れるかもしれない可能性が高まった。まぁさすがに主人公は無理だろうか。俺の作品で主人公は出きるかもしれない。話題性はあるしな。
「悟くんには悪いけど、正弘くんと回れて演技もできたからこんなに楽しかった文化祭になったかもしれないね」
とうとう森田を越えたぜ。好意は越えてないが。一緒だから楽しめたというのはある程度楽しめる友達としての認識はあるのだろう。それに嫉妬もしてくれたし。これは後ちょっとで落ちるんじゃないだろうか?
「森田でも最優秀賞は取れたかもしれないが、美海と回れるたのは森田が休んでくれたからだよな」
「私は最初っから正弘くんと回る予定だったよ」
え?まじで森田やら俺と回りかったってことか?それってかなり好かれているんじゃないか。
「実は私悟くんに振られてからちょっと気まずいんだよね」
あーそいうことか。別に好意を越えた訳じゃなく、単に森田とは回るほど吹っ切れてないってことか。これからもアピールするとは言っていたが今までと特に変わってなかったしな。何で知ってるのかって?そんなの好きな人と振った相手が話してたら気になるだろうが。それに最近は森田ともあまり美海はしゃべっていない。振られたことを森田に好意を寄せる奴らが感ずいたのか、積極的に森田に話しかけているからな。その分俺と美海は一緒にいるケースが多い。
「振られたのか、なら新しい恋を見つけるのも合いかもな」
その相手が俺だともっといいんだが。これからも心理学を屈指してアピールを続けよう。森田と離れてる間に好意を高める。そしていつか付き合えるように。
「そうかもね。でも最近悟くんと女の子が話していても嫉妬をしなくなったんだ」
それって森田のことをもう諦めたってことか?それなら今一番は俺か?今は俺が一番有利なのか。思わずにやけちゃいそうだ。だがここは我慢だ。
「それはもう好きじゃないってことじゃないか?」
ここで完全に森田から好意を持ってないことを自覚させる。そうすれば俺のターンだ。アピールして彼女にする。げしゅうでも俺は美海を手に入れたいのだ。綺麗な戦略を練っても他のやつに先を越させられる。美海は学年でトップクラスの人気だからだ。
「うーんまだ悟くんと話すとドキドキするんだけどね。心が広くなったのかな?」
ドキドキはするのか。ならまだ好きなのかもしれない。だが確実に心は森田から離れているだろう。女子が嫉妬をしないってことはそいうことだ。女子は嫉妬をする生き物だからな。俺に対してはしてきたし。
「美海の近くに好きな人がいるのも覚えておいてくれ」
すると美海はキョトンとした。美海の回りには美海のことが好きな人がたくさんいるから思い当たらないのだろう。これで思い当たったら美海との距離感が変わりそうだが。
「うん、意外に好きになる人は身近にいるかもしれないしね」
しばらくして片付けが今日分は終わり、帰る準備をした。
「それにしても文化祭でたくさん稼いだね。まさかこんなにチェキのお金貰えるなんて」
「チェキの半分は貰っているからな」
最初はこんなに稼げると思っていなかったが、雪穂が髪を切ってくれて、イケメンになれたのが大きかったな。俺だけ器用でも美容師にならないのはもったいなく感じたが。雪穂曰く大手企業か起業する方が稼げるからそっちの方がいいということだ。
「正弘くん今日の最優秀賞とれたお祝いとして千葉市にあるラーメン食べに行かない?」
「良いぞ行くか」
まさか美海から誘ってくれるとはな。それだけ今日が楽しかったのだろう。俺は今日の夜ごはんはいらない梨花に送った。千葉市に行くのは聖地巡礼して以来か。そういえば後一ヶ月ごにモデルになった高校の文化祭もやるよな。美海を誘っておくか。
「美海前いった高校の文化祭一緒にコスプレして行かないか?」
「いいよー。制服って売ってるの?」
「人気があるから売っているぞ」
コスプレで高校の文化祭行くのはワクワクするな。一時期総武高校の制服でのコスプレは流行っていた。コミケとかで良く見たしな。恐らく見たなかでも一番に美海のコスプレは似合うだろうが。
そんなことを考えていると、駅に着いたので流鉄に乗った。文化祭を楽しみにしていたが、あんなことになるとはこのときの俺は知らなかった。
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