第122話

かぐや坂46がでてくると体育館が割れんばかり拍手が起きた。あんなに美少女がたくさん出てくればこうなるか。なんと希レベルではないものの一般的に見て美少女と呼べる女子が何人も出てきたのだ。


「すごいみんな可愛い。本当のアイドルみたい」


「まさかここまで美少女が多いとはな。お金を取るだけの価値はある」


『かぐや坂46です!』


「まさかこんなに出てきた瞬間に拍手をもらえるなんて驚いたわ」


ポニーテールのリーダーらしき美少女が言う。 

上品さを醸し出しているな。足もスラッとしていて綺麗だ。


「そうだね、みんな盛り上がっているー!」


『いぇーい』


「じゃー曲に移るねー。黒い羊」


すると曲が流れ出して各ポディションにつく。お、雰囲気が変わったな。この雰囲気は櫻坂のライブで感じた雰囲気だ。これならかなり期待ができる。梨花はセンターか。まぁ目立つ人をセンターに奥と言うのは間違いじゃない。


「信号は青なのか緑なのかどっちなんだ」


梨花が歌いだす。梨花はこんな低い声出たんだな。暗い感じを出して踊り始める。キレもかなりのものだ。いっつも帰ってくるのが遅くてダンスをしていたのがちゃんと結果として出ている。観客もうおーと盛り上がっている。ルックスだけてはなくこれだけのパフォーマンスをしてるんだ当然っちゃ当然だが。


「黒い羊そうだ僕だけがいなくなればいいんだ」


ここでさびに入る。いっそうダンスのキレが上がってくる。まるで往年のてっちを見ているようだ。それくらいキレが梨花にはある。そういえばプロのダンサーに教わっているって言っていたな。


そして一曲目が終わり、笑顔て観客に手を振っている。俺も思わずりかに手を振ってしまった。するとりかは俺たちが最前列にいたからか気付き満面の笑みで俺に手を振り返す。アイドルに手を振られたような気分だった。もしかしたら梨花はスカウトをされるかもしれない。


「フフ楽しいね。人前で踊るのって」


「これがアイドルを続ける理由なのかもしれないわね。次でラストになるけど盛り上がりましょう。二人セゾン」


「二人セゾン二人セゾン春夏で恋をして」


するとさっきとはうって変わって満面の笑みで踊り出す。楽しそうだ。兄としてこれだけのダンスと観客を魅了できる梨花を誇らしく思える。


今の梨花はモデルをやっているよりも楽しそうだ。櫻坂を好きっていうのもあるだろうが。スカウトマンがいれば間違いなく大きいアイドルグループにスカウトされるだろう。声もいいから声優アイドルとしてスカウトされる可能性もある。


そしてソロダンスに入り花が咲くようなダンスを披露する。まるでそのダンスはみーちゃんのようだった。


そして曲が終わり、満面の笑みで会場を見渡し手を振る。


「ありがとうー!」


そして舞台袖に下がり、次のダンスをする人たちが入ってきた。すると後ろのサラリーマンぽい人が立ち上がり舞台に向かった。スカウトだろうか?そう思っていると美海がある方向を指差した。


「どうした美海?」


「あそこにいるの志田さんじゃない?」


「ほんとだスカウトしにでも来たのか?」


「行こう!私の演技の感想も聞きたいし」


「そうだな行くか」


俺達は少し後ろにいる志田さんの方に向かって歩きだした。何やらパンフレット見ながらぶつぶつと言ってノートに何かを書き込んでいる。恐らく今日のダンスのメンバーの特徴と顔と強みになるポイントだろう。


「志田さん!」


すると志田さんを顔を上げて俺たちを見たあと微笑んだ。


「劇お疲れ様。いい演技だったわ。あれなら女優も問題ないわね。後尾関くんだった頭あなたの演技と声も良かったわ。私の事務所で声優として活動してみないかしら?」


え?まさか俺までスカウトされてる。確かに上がったり叶ったりだが。いいのか俺なんかが事務所に所属しても。演技を見たってことは俳優も考えているってことだろう。まだ俺は森田に比べてまだまだ知ろうとの域をでない。それなのに声優として直接所属してもいいのだろうか?アニメファンに叩かれないだろうか?


「心配してるみたいだけど安心していいわ。デビューは養成所に入ってある程度の演技が出きるようなってからするわ」


「正弘くん悩んでいるなら心配ないよ。私も同じ事務所に所属するんだし。それに同じ事務所の方が同じアニメに出やすいかもしれないしね」


どのみち声優を目指すんだ。それに同じアニメに出ると美海と約束したのだから早いか遅いかの違いだ。入ろう。そしていつかアニメファンに認められるような声優になろう。


「事務所に入らせていただきます」


「そうそれなら良かったわ。一応あなたは特待生でいれておくから学費の心配入らないわ。もちろん長濱さんもよ」


そんな特別扱いにして大丈夫なのか?いくら内定してるからと言ってそんな特別な扱いを受けたら他の養成所の人に陰口叩かれそうなんだが。美海はルックスも良くて声もいいから特待生として入っても文句はないだろうが。俺は特別なものを持っていない。せいぜいその辺のやつよりかはイケメンなくらいだ。


「心配のようね?でも大丈夫だわ。内定決まってる人は特待生って事前に通告されているわ。つまり周りは素質を買ったんだと思うから大丈夫よ」


それなら大丈夫か。それよりノートに梨花のことも書いてあるが、スカウトはしないんだろうか?そう思いながらも俺は志田さんと別れて美海と文化祭の出し物を回った。









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