第115話

そして俺は退院の日を向かえた。放課後にさきたちがくるお陰で充実した入院生活だった。


「いよいよ退院だね。ラーメンでも食べに行く?」


俺は病室で買える準備を終えて、どこに行くか迷っているとさきがそんなことを言ってきた。


「確か隆元はラーメンが好きだったよね。ならラーメン食べに行きましょう」


病院食ばっかりで飽きていたからちょうどよかった。渚がラーメン食べに行くことを提案することご意外だったが。


「なら松戸に美味しいラーメン屋があるからそこに行くか」


あそこならそこまでこってりとしてないから渚も気に入るだろう。


ちなみに服はお金を払いさきたちに買ってもらったからかなりおしゃれだ。俺は普段たいしておしゃれをしないから服が似合ってるか不安だが。


俺達は病室をでた。看護師に見送られながら病院をでてラーメンを食べに行くために電車に乗り松戸駅に向かう。


「ねぇラーメンって言っても色々あるけどなに系に行くのかしら?」


「魚介系だ。つけめんが美味しいところなんだが、ラーメンも美味しいんだ」


「二郎系行くならどうしようかと思ったから安心したわ」


「二郎系って言葉をしっている渚に俺は驚いたわ」


俺が好きだから調べてくれたのか。二郎系はさすがに女子とは行けない。ボリュームが多すぎる。俺も病み上がりであの量は無理だ。


やがて松戸に着くと、俺達は電車を降りてラーメン屋に向かう。ラーメン屋に着くと並んでいたので並ぶ。


「人気店なんだね」


「冨田としのぎを削ってるぐらいの店だからな。知名度は全国レベルだ」


「へぇー期待しとくわね」


数十分並び俺達は店に入った。するとお客さんの何人かはさき達に驚いていた。まぁラーメンや美少女がきたら驚くよな。ナンパされないように注意しておくか。


俺達は魚介ラーメンを頼み、10分ぐらい待つとラーメンがでてきた。


俺は早速食べ始める。濃厚な魚介が口に広がって美味しい。


「美味しいわね」


「うーん美味しい。最高かよ」


でたさきの口癖。それがでるってことは本心なんだろう。よかったわ。まぁ不味いってことはまずないと思っていたが。


食べ終えると俺達は店をでた。


「次どこに行く?」


「アトレでも行こうぜ。さき達になにか買ってやりたいしな」


「いいの?」


「お金は腐るほどあるから大丈夫だ」


税金にとられるよりましだろう。


俺達はアトレに着くと、ネックレスが置いてある店にきた。


「何か欲しいものがあったらいえよ。値段は気にしなくていい」


するとさき達はネックレスを手にとって吟味し始めた。俺もなにか探しておくか。


俺はすぐに渚とさきに似合いそうなネックレスを見つけた。ブルームというブランドでハート型と雫型のネックレスを見つけた。あまりごてごてしてないからちょうどいいだろう。


「さきと渚似合いそうなの合ったぞ」


「本当?いっぱいあって迷ってたからちょうどよかったよ」


「さきにはハートマーク、渚には雫マークだな。さきには愛してるという気持ちも込めている。だから同じのを俺も買うわ」


「ペアルックだね。私密かに憧れていたんだ」

 

俺は選んだネックレスをさきと渚に渡す。


「なかなかいいわね。センスを感じるわ」


「うん。これなら学校でもつけられるね」


買いに行くか。俺は再びネックレスを二人から受けとり会計を済ませた。ちなみに包装で包んで貰っている。ネックレスを二人渡すとありがとうと微笑んだ。その微笑みを見れただけでも買った甲斐があったものだ。


「せっかくだしこのあとプリクラでもとらないか?」


「プリクラはこの三人で撮るの始めてだしちょうどいいね」


俺達はゲーセンに向かうと、プリクラに入った。そのときリア充め砕け散れという嫉妬した男の声か聞こえた。俺も少し前はあっち側だったたよなと思うと懐かしくなる。


「何を選ぶ?」


「仲のいい友達でいいんじゃないか?」


「じゃそうするね」


そういうとプリクラを撮り始めた。


まさかあんなに密着した感じになるとは。さすがプリクラ恐るべし。精神的に疲労したわ。さきはまだしも、渚とは付き合っていないから正直先がどう反応するかが怖かったが、今は仲良く落書きをしてるところからた怒ってはないのだろう。それだけ信頼関係があるってことか。


ちなみに俺は落書きをしていない。あそこは二人しか入れないし。特に落書きしたいっていう気分じゃないからだ。


落書きを終えるとさき達がでてきた。俺はプリクラを受けとる。


仲良し。ずっ友だよと書いてある。俺はそれを見て思わず笑みかこぼれた。俺にも本物というものができたと思ったらだ。ますます死にたくなくなってきてしまった。


それからゲーセンでコインゲームをやってさきか大当たりを引いてすさまじいほどのコインが貯まったり、カーレスで渚が口調がオラオラ系になってさきと驚いたり、太鼓の達人でさきと渚がバチバチ火花を散らしたのは意外だった。


そして夜になりさきの家の門限が近づいたので帰ることにした。


「今日は楽しかったよ」


「俺もだ入院していて特にやることなかったからなゲームをしたのは久しぶりだったし、何よりプリクラを取れたのがよかった。この思い出は俺のなかで生き続けるだろう」


「まだ軽井沢に行ってないだからまだ思い出はたくさんできるよ」


そうだなまだ軽井沢があったんだな。そして文化祭も控えている。まだまだ俺は思い出を作れる。せいっぱい今やれる全力を出して楽しもう。




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