第104話

俺達は服屋に入ると、片っ端から服を俺に美海は着せた。うーん何か違うなと言ったり悩んでいる。やっぱり背が小さいとお洒落をするのは無理なのだろうか?森田は170cmあるから服を選びやすく俺とは勝手が違うのだろう。


「やっぱりパーカかな。でもそれだとお洒落とはいえないような気がする」


まぁパーカなら梨香に大量に買わされたからな。これ以上パカーが増えても困る。


「ん?これいいんじゃない」


美海はベージュのコーチジャケットを取った。確かにこれならお洒落だし黒チノパンと合わせれば足も長く見えるし、若々しく感じる。俺は美海から服を受け取ると、それを試着室で着た。


「うんいいよ。爽やかなイケメンって感じがして似合ってるよ」


美海からイケメン評価をもらい俺心が小躍りしそうだ。よしこれを買おう。それで今度でかけるときこれを着ていこう。だがひとつだけしか買わないっていうのもな。パーカーはたくさんあるがお洒落なのはないんだよな。なに買おうか。


「何かおすすめのパーカってあるか?」


南は顎に手を当てうーんと考える。これは美海が考えるときの癖だ。あとはなにかに座るときによっこらせとおっさんみたいなことをいう。まぁ美少女がやると萌えるんだがな。


「マウンテンパーカとかおすすめかな。視線が顔に集中して正弘くんの整った顔が目立つし」


美海にイケメンだと認めてもらえた。南は森田以外をイケメンとは呼ばない。つまり森田に追随するくらいの好意を持っているってことだ。髪を切ってくれてありがとう雪穂。


「じゃそれ買うか、色は黒でいいか。合わせやすいし」


「あとこれなんかどう?カーディガン。大人ぽさが出ると思うよ」


大人ぽさか、今まで実年齢より若く見えて、大人ぽさがなかったからいいかもしれない。これに香水をつければ出きる色っぽさもだせるかもしれない。


「それじゃそれも買うか。ちょっと灰色のカーディガン試着してみるわ」


俺はカーディガンを取って試着室で着て、着終わると美海に見せた。


「うん、大人ぽくてカッコいいね。私の見立てに狂いはなかったみたい。正博くんはやっぱり磨けば光るんだね。これからはファッションにも気を使ってみたら」


美海が磨けば光るって言ってくれたんだ。これ以上自信になる言葉はない。美海の心証を少しでもよくするためにも。低身長だから似合うファッションもあるだろうし。美海の横を並ぶものとして最低限やんなくちゃいけないものだよな。


「そうするわ」


パーカは美海の持ってきてくれたものを受け取りデニムの黒いズボンとベージュ色を持ってきて篭にいれて、レジに向かった。


俺は服を買うと店を出て美海のところに行った。それにしても美海はある服屋を眺めていたがその光景が儚かった。きっと森田との思いでの服屋なのだろう。


「待たせたな。とりあえずアクセサリーショップでも行くか」


「私買うものないよ?」


「俺がプレゼンとするんだよ美海に。勉強教えてくれたお礼にな」


もちろん雪穂と足利にもプレゼンとをする予定だ。あいつらも俺に勉強教えてくれたしな。まぁ値段は美海には桁が一桁ぐらい違うのを買うが。だって好きな人には少しでもいいものを買いたいと思うだろう。


「買ってくれるの?」


「高いのでも大丈夫だぞ。今40000円手元にあるし」


「じゃあー買ってもらおうかな」


高いのを買うのは森田でもできない芸当だろう。あいつバイトしてないって言っていたし。まぁ美海は高いものを買ってもそんなんで靡かないが。だが好感度は上がるだろう。買ったネックレスを出かける時につけてくれたら嬉しいな。


俺達はランジェリーショップに向かった。何回か梨香と入ったことはあるが、やっぱり慣れない。女子ばっかで男の俺がじろじろと見られる。まるで話しかけたそうにしている。なぜたかは知らないが。


美海のことを羨望のは行った眼差して見てる人もいる。まぁ美少女だもんな。南ほどの美少女だと嫉妬されるよりも羨望の眼差しを受けることの方が多い。美海は慣れているのか。アクセサリーを真剣に選んでいる。


「んー黄色のアクセサリーもいいけどシルバーのハート型もいいなー。正弘くんはどっちがいいと思う?」


俺の気持ちを表すためにハート型を俺は選んだ。1万円するが特に問題はない。臨時収入も入るし。


「じゃこれにしようかな」


美海はハート型のシルバーのネックレスを取ると会計に向かった。俺は1万円をだし会計をする。すると店員が満面の笑みで得れたちを見ると実はカップル限定のくじを今やっているんですよーと言った。


カップルじゃないんだが、まぁ端から見たらそう見えるか。俺のルックスは今それなりのイケメンになったし。美海と一緒にいても問題ないと判断されて俺は今気分が最高潮になっている。


美海はカップルなんてと顔を赤くしているが、満更でも無さそうだ。カップルといわれて悪い気分ではないのだろう。それだけ好意があるってことだ。あともう少しだな落とせるの。


「ありがとね買ってくれて」


「日頃の感謝も込めているからな。このくらいの出費は大したことない」


俺の最初の友達になってくれたときは心が小躍りした。それから好意を上げて今ここにいる。1年前の俺が聞いたら驚くだろう。あのときから俺は美海が好きだったからな。


「そろそろ帰るか」


「うん。明日も早いしね」


俺達は外に出て空を見ると流れ星が流れた。俺は少しでも美海と一緒にいれますようにと願った。美海とは長い付き合いをしたいからな。俺美海のことが好きだ。これ以上好きな人が出てこないんじゃないかと思うくらい。だからなんとか小説の方も軌道にのせたい。


美海は行きなり俺の前に出て腕を後ろに組んで満面の笑みで明日もよろしくねと言ってきた。やっぱり美海はアザと可愛い。俺はそんな美海に赤い顔をしながら明日も頑張るぞと言った。

















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