第41話

しばらく経つと、美海さんと梨香が楽しそうな表情で入ってきた。随分仲良くなったんだな。ちょっとうらやましいぞ梨香。


「正弘くんの好きなアイドルって櫻坂だよね?」


「ああ、そうだぞ」


「実はねチケットが二枚当たったんだけど友達がその日用事があるらしくて行けないらしいの。だから私とライブ行かない?」


間近二人でライブだと。二人っきりでも嬉しいのに好きなアイドルも見れるって俺はなんて幸せ者なんだ。もう一回刺さされる不幸があってもおかしくないくらいの幸運が俺にきている。

もう一回刺されるのはごめんだけどね。痛いし。


「行くよ。どんな予定が入ろうがそっちを優先にするわ」


身内の不幸が来ない限り俺はこっちを何よりも優先して動く。バイトも入れないと伝えておかなければ。


「んーと今から一ヶ月後だね。場所は幕張メッセだね」


「へぇー千葉県のご当地アイドルなのに幕張メッセでライブできるなんて人気が上がってきてるな」


幕張メッセは数多くのメジャーなアイドルがライブをしてる場所だ。ここでできるってことはアイドルの群雄割拠時代を一歩リードしてご当地アイドルの枠を抜け出すことを意味している。とうとう櫻坂も全国区になったんだな。


「お兄ちゃんすごく嬉しそうだね」


「そりゃ櫻坂のライブなんて行くの久しぶりだし、何よりも美海さんと一緒に好きなのを見れるなんて最高に決まっているだろ」


「櫻坂のライブは最近人気が出てきて抽選になってきてるからねー。百人しか集まらなかったライブが懐かしいよ」


そう櫻坂はご当地アイドルの時代が長く最初は人が集まってなかったのだ。だが表のアイドルにも負けず劣らずの美少女で個性の強く二期生が入ってから人気が爆破的に増えたのだ。てっちがやめたときは解散するんじゃないかとヒヤヒヤしたが。


「あの頃からファンだったんだな。俺は本格的にテレビとかチェックするようになったのはるんが入ってからだからな」


」最初はダンスもてっちが目立ちすぎてファンからもその他大勢扱いされてたけど次第に個性をだしてにん気になってきたんだー。だからてっちが抜けたときも二期生もいたから比較的ダメージが少なく済んだんだー」


「ライブ楽しみだな。とりあえず俺は早く退院できるように頑張るか」


ライブで騒ぎすぎて傷が開かなきゃいいんだけど。俺はライブに行くとノリノリでサリウムを振り回すからな。もちろん声もだすぞ。振り向いてもらうために。顔は認知されてるからな。握手会はよく行っていたから。


「リハビリはないと思うけど頑張ってね」


「ああ、あと東京のどっか行く約束だが、秋葉に最初行かないか?」


「秋葉かー。ちょうど最近アニメを見始めたからグッツをほしいと思っていからいいよ」


長濱さんのルックスでアニメイト行く間違いなく目立つからオタク狙いのナンパは府せくために目を光らせておくか。それにしてもアニメを見てるって間違いなく俺の影響だよな。自分の影響を受けて見てもらうのって結構嬉しいものだな。


「ちなみに何を見ているんだ?俺の青春ラフコ目は間違っているとかだよ」


あの作品は心情模写の文章も面白いからな。普通の小説しか読まないタイプの人でも比較的はまりやすい。ラノベのなかには会話文が多いものもあるからそ言うのはあまり美海さんは読まないだろう。


「面白いよな。特に八幡がひねくれてたり、変な理屈を言ってたりするとことか。あとはラノベにしては珍しく一人でなんでも解決しちゃうし」


「うん正直自分が犠牲になってでも依頼を解決しちゃうのはすごいよね。しかも奉仕部を守るために好きでもない人に告白するなんてね」


というか俺の貸した本よりも先を知っているってことは先までアニメを見たってことか。なんたか嬉しいな、俺の貸した作品を気にってくれるなんて。


「続きは読んだか?」


「まだ二巻までしか読んでないよ。アニメは第三期まで見たけど。すぐにかって読むつもりだよ。原作はアニメと違うところもあるだろうし。四期見る前には全巻見るつもりだよ。検索を知ってアニメを見るのも楽しそうだし」


この様子たと借りるんじゃなくて全巻買うつもりか。まぁ魔法科高校の劣等生と違ってそんなに刊は多くないし。確か俺も最後までは読んでないが14巻までだった気がする。


「そうだな、まだおすすめのラノベがあるが貸そうか?」


「正弘くんの気にってる本を外れがなさそうだし貸してほしいな」


「俺が退院したら貸そう。涼宮ハルヒの憂鬱ってやつなんたが、これも主人公視点で心情模写が多いし、文章も長いんだが、まぁ美海さんは文章長いの読みなれてるし大丈夫だろうな」


これはハーレムアニメの始まりとも言える今のラノベの元を作った作品だ。まぁエスエフ要素の強い作品だが。起承転結がしっかりしていて面白い。


「この作品はメインヒロインが神に相当する地からを持っていて主人公がそれに振り舞わせられるんだ」


「へぇー面白そうだね。最近の作品なの?」


「違うぞまだ完結はしてないが、前から連載されている作品だ」


マジで早く完結させろよと思うほど続刊かでない。恐らく売れすぎて期待が高い分プレッシャーになっていて満足のいく作品がかけてないんだろうなー。俺は売れてない作家だからそ言う気分は分からないけど。


「あ、そろそろ面会時間が終わるね。じゃー私は帰るね。梨香ちゃん一緒に帰ろう」


「私途中から空気だったよ。私もアニメ見ようかな」


「もし見るとしても、見てることを周りに言うなよ。女子に免疫ない男が勘違いしてふられるのが目に浮かぶから」


さすがに降られると分かっている告白はさせたくないからな。他人でも。あとはアニメイトでナンパをされるのを防ぐためだ。アニメ見てるやつはモテないという価値観があるやつも多いからしつこいやつが多いんだよ。絶対にものにできると言う自信を持っているから。


「分かったよ。じゃ帰るね。お休み」


「お休み」


「じゃあーね」


「バイバイ」


美海達は病室を出た。さてまた暇になったな。罰ゲームから始まる恋でも書くか、それとも勉強するか。時間かありすぎるから明日は勉強して、今日は罰ーゲームから始まる恋を書こう。


それにしても今日は色々あったな。美海さんをしたの名前で呼ぶようになったり、美海さんの父親と会ったりしたな。今日の出来事で美海さんのお父さんに自分の思いは伝えられたし、まぁまぁな日だったな。


だここれからだ美海さんを落とすのは。下の名前て呼ばれるようになりようやくスタートラインに立った感じだ。これからも美海さんを振りかせるように頑張ろう。俺が主人公のような幼馴染みを好きになったのは間違いではない。








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