第2話 取引

「アナタが運び屋の方ですか?話には聞いていたのですけど」

銀色の長髪の少女は言った



そう、今居る目の前の女こそが、今回の取引相手

今回は資材運搬と称して、堂々真っ昼間から、こうして

「ヤク」の取引をしてるんだ



「は、はい俺です!お、お綺麗ですね。」



「え?」


キョトンと、可愛く小首を傾げる少女・・

見た目がもぅ尊い・・可愛い・・あぁ、



「あ、いやややや、すいません。えっとこれが例のブツです。大丈夫ですちゃんとばれずに約束通りの物です。お確かめ下さい」



「えっ・・と・・。これと・・・こっちに・・はい。確かに揃って

いますね・・でも・・」



浮かれていた俺は、鼻の下を伸ばしながら取引が終わったものだと

思い、楽勝と思いながら、普通にナンパをしかける



「いや~お姉さん、超絶可愛いっすねっ?こんな地獄みたいな世界で

見つけた一輪の華麗な華!この世界に入ってよかったっす」



「どうでしょう?ここで会えたのも何かの縁・・連絡先交換して

優雅なティータイムに誘いたいんっすがどうでしょう?」



「おい!・・てめぇ舐めてんのか!三下風情が、お嬢に向かって

いきりやがって!ぶち殺されてぇのか!っあぁ!!」


傍にいた黒服2名に俺、は凄まれるが、ここで出会いをみすみす

逃すわけにも俺は行かない



だって夢はマフィアの王になる事だからだ!




「うふふ・・面白い方ね・・確かにこの世は地獄・・

でも、生憎、私の素顔を知ったらそんなお茶目な口は出なくなりますわ」



「それに、お誘い頂いたお茶会には、どうやら参加する事も叶いませんわ

何故ならオイタをした悪い子は、処罰を受けなければいけませんものね」



「え?」



「これは・・一体どういう事ですの?」




そういって取引の材料を見る

えっと、白い粉に・・白い粉の塊に・・どう見てもそれだけしか・・?



おや?



「かなり熱烈なラブレターですのね?ここまで噛み付かれるとは

私も思っていませんでしたが、」



「覚悟は出来てますね?」



そういって彼女は箱の中の白い袋を開けて破いていく

ちょちょえぇっ!

それには傍の黒服にも驚きを隠せていなかった



「あっ・・ん・・♡」

可愛い舌遣いに俺は思わず唾を飲んでしまう



「こんなディスオーダーとは・・いけませんね。

酷く腐った甘い味しかしません。お砂糖?ほとんどブラフで、頼んだ品物は一つしか無い。やってくれましたね。アナタ」



やっ、やばい!もしかしてこれって・・俺が嵌められたって奴!?



「ち、違うんです。俺は何も知らなくて・・バイトで頼まれただけで」

そういって手を振った際に、箱にぶつかり落としてしまう



ーカラカラー

その時、そんな酷く乾いた金属音が響いた



「では、これは何なのでしょうね?私、初めてです。こんな

殺伐としていて、素敵な銃の贈り物だなんて」



それを拾って、目の前に突きつける

ーガチャリー

「心の準備はよろしいかしら?では、さよぉなら」



あぁっ・・クソッ儚い人生だったぜ

言い訳したって意味が無いのは明らかだし、嵌められた自分が悪い



死を覚悟した瞬間だった

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