第14話 【創造糸】
晴人の自重なき洞窟改造は布団だけには留まらない。晴人のステータスもかなり上昇しているので洞窟の近くにあった岩を担いで調達してくる。
側から見れば岩が勝手に歩いているとも見られる光景だが、今のところ晴人はこの森では人とは遭遇していないので問題ない。
晴人は岩を持ってくるとその岩に【生産職人SP】を使用しようイメージを働かせる。
「今度作成するのはやっぱりアレだよな」
【生産職人SP】が働くと同時に岩が発光する。そして発光が収まると岩が巨大な枡のような形になる。
「よし、これで風呂、並びに岩風呂の完成だな!」
今まで水浴びで済ませていたが、晴人が【生産職人SP】を使用して生産したのはきちんとお湯に浸かれる岩風呂である。
火と焚火用の薪はあるので水を温めることは造作もない。
晴人は薪を岩風呂の下に用意して火を焚べる。
贅沢な使い方であるが溜めておいた【新聖水】を使用して湯を沸かす。
「いつぶりのお風呂だろうなぁ……ここに来てからずっと水浴びだったしなぁ……」
晴人は異世界に来てから今までのことを思い出す。
最初はどうなるかと思ったものの、環境にはかなり恵まれていたようで、ここまで無事に生きていくことが出来た。
暫くすると丁度良いくらいに【新聖水】が沸いたようで、
「よし、じゃあこの世界初めてのお風呂に入るとしますか!」
晴人はすぐさま服を脱ぎ去り、洞窟内の自家製浴槽へと飛び込む。
「うぉぉぉぉぉぉぉ! これは………良い……」
【新聖水】のお湯は丁度良い温度で、それでいて【新聖水】の効果なのかは分からないが、一気に緊張が解されていく。
「あぁ、全く……ここに来て良かったって初めて思えたかもしれないな……こんな気持ち良い風呂に入れたなら……」
晴人にそう思わせるくらいに【新聖水】の風呂は極上のモノだった。
晴人は極上の【新聖水】風呂を堪能した後、泥のようにぐっすりとフカフカフワフワ布団で就寝するのであった。
極上の睡眠を摂った晴人は再び『神の園』の森の探索へと駆け出していく。
そして晴人は『神の園』の森のさらに奥地へと駆け出し、またも幸運にも真新しい生物を見つけるのであった。
晴人が【飛翔】で上空から見たソイツは虹色に輝く大型の蜘蛛だった。
虹色の糸で紡いだ巨大な巣の中心にソイツは居た。
晴人はソイツの正体を確認するためにも、【鑑定SP】を使用して、虹色の大蜘蛛を鑑定することにした。
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【名称】
Lv.46
【HP】156000
【MP】134000
【攻撃力】95000
【防御力】95000
【敏捷】80000
【知力】45000
【幸運】1000
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【スキル】
【創造糸】【猛毒生成】【状態異常耐性】
【大喰らい】【威嚇】
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【称号】神の園に住まいし者
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晴人は虹色大蜘蛛のステータスを見て、この虹色大蜘蛛はもう自分の敵ではないと判断を下す。
確かに【猛毒生成】で毒を喰らうことがあれば、ひとたまりもないかとしれないが、何があっても良いようにきちんと【神聖水】を水筒へときちんと詰めてある。
それに【新聖水】の水筒も【生産職人SP】のおかげでグレードアップしており、容量も前よりも沢山入るようになった。
それ以上に晴人と虹色大蜘蛛のステータスにはかなりの差が出来ていた。
そして何より晴人のステータスはというと【取得経験値10倍】【必要経験値1/10倍】の恩恵によって、飛蹴兎と白銀牙狼を倒すだけでもかなりのレベルアップを果たしていた。
もはや【ふしぎな果実】の恩恵が微々たるモノになりつつあったが、【ふしぎな果実】は今やデザート感覚で食べるようにしている。
そして、それによって強大な力を身につけた晴人のステータスはというと、
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【名前】竹中晴人(タケナカハルト)
【種族】人族
Lv.127/♾
【HP】501100
【MP】479100
【攻撃力】494100
【防御力】494100
【敏捷】482100
【知力】482100
【幸運】492100
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【スキル】
【鑑定SP】【生産職人SP】
【投石】
【跳躍】【飛翔】【瞬動】
【威嚇】
【風魔法】【雷魔法】【回復魔法】
【取得経験値10倍】【必要経験値1/10倍】
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【称号】神の園に踏み入れし者
異世界人
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虹色大蜘蛛を遥かに凌駕するステータスになっていた。
これだけ虹色大蜘蛛とステータスが駆け離れている以上、晴人が虹色大蜘蛛に敗北することはあり得ない。
「よし! じゃあサクッとあの
晴人は以前に枝を材料にして【生産職人SP】で作成した木刀を手にして虹色大蜘蛛を討伐することを決める。
討伐をすることを決めると晴人は【飛翔】によって虹色大蜘蛛の真上上空へと移動する。
「まぁ悪くは思わないでくれよ……大蜘蛛さん……俺も生きていくためには必要な事なんだよ……」
そしてそこから晴人は勢いよく真下へと突っ込む。
晴人の体には白銀牙狼が纏っていた紫電を纏い、高さ1キロメートル程のところから地面へと豪雷の如く一瞬に到達する。
虹色大蜘蛛が晴人を目視で確認した時にはもう既に虹色大蜘蛛の頭部は胴体とは乖離してしまっていた。
それと同時に豪雷が落ちたかのような轟音が地面を震撼させる。
晴人は地面へと着地し、落とした大蜘蛛の頭部が落ちてくるのを躱す。
ピロリン♪
『報告、
「よし! 一丁上がりだな! それにしてもこの虹色大蜘蛛はどんな味がするんだろうな。見た目はよく見れば蟹みたいだし、蟹みたいな味がするんかな? まぁとりあえずこれは
晴人はすぐさま強大な虹色大蜘蛛を洞窟へと持って帰る事にした。
そして蜘蛛の調理方法が流石に分からなかったのでとりあえずのところ香草と一緒に焼いてやった。
香草のおかげもあって臭みもかなり和らいでいて、それ程ゲテモノ感は無くて良かった。
だが飛蹴兎程は美味しくはなかったので、二度と食べることは無いだろう。
晴人は虹色大蜘蛛を食したおかげか、
ピロリン♪
『報告、【祝福の肉:虹色大蜘蛛】を体内に吸収したことを確認しました。よって【祝福の肉:虹色大蜘蛛】の効果をステータスに反映させます』
ピロリン♪
『報告、【祝福の肉:虹色大蜘蛛】によりスキル欄に【創造糸】【猛毒生成】【状態異常耐性】【大喰らい】【威嚇】を追加させます』
その結果、晴人のステータスはまたも成長を遂げた。
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【名前】竹中晴人(タケナカハルト)
【種族】人族
Lv.130/♾
【HP】531100
【MP】509100
【攻撃力】524100
【防御力】524100
【敏捷】512100
【知力】512100
【幸運】522100
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【スキル】
【鑑定SP】【生産職人SP】
【投石】
【跳躍】【飛翔】【瞬動】
【威嚇】
【風魔法】【雷魔法】【回復魔法】
【取得経験値10倍】【必要経験値1/10倍】
【創造糸】【猛毒生成】【状態異常耐性】
【大喰らい】
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【称号】神の園に踏み入れし者
異世界人
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新たに虹色大蜘蛛を食したことによって【創造糸】というスキルが手に入ったのだが、このスキルはというとある程度の効果をもつ糸をMPを消費することで生成する事が出来るようで、晴人は衣服用に糸を生成することにした。
人間である晴人にも【創造糸】はしっかりと使用できるようでMPを消費して出来るだけ糸を生成した。
「糸はこんなもんで良いよな。これで【生産職人SP】を使えれば、衛生面もこれからは怖いことなしだな」
晴人は【創造糸】で生成した糸に、次は【生産職人SP】を使用して衣服を生産していく。
下着、肌着、Tシャツ、ズボン諸々必要な衣服を【生産職人SP】で生産した。
「やっぱり【生産職人SP】が何よりも便利なスキルだな!」
晴人は簡単にも替えの衣類が作れた事に、改めて【生産職人SP】の有能さに感動するのであった。
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