第9話 【白銀牙狼】

 晴人は【飛翔】が使用可能であることを確かめた後、『神の園』のまだ見知らぬ食糧を探し求めて奔走した。


 このサバイバル生活で主食となっている【ふしぎな果実】を採集したり、飛蹴兎を上空から索敵して戦闘して討伐したりを繰り返していた。

 飛蹴兎も晴人は【祝福の肉】でスキルを得たのに加えて、討伐を重ねることによってレベルアップをはたしていたため楽々と討伐することが可能になっている。

 

 改めて晴人は【飛翔】【風魔法】の強さを実感するのだが、【祝福の肉】の恩恵を享受してパワーアップする事数日が経った。


 晴人のステータスは以前よりも遥かに成長を果たした。



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【名前】竹中晴人(タケナカハルト)

【種族】人族

 Lv.19/♾

【HP】60100

【MP】40100

【攻撃力】46100

【防御力】46100

【敏捷】41100

【知力】41100

【幸運】35100

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【スキル】


【鑑定SP】【投石】【跳躍】【飛翔】【風魔法】


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【称号】神の園に踏み入れし者

    異世界人


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 成長を果たした原因としては【ふしぎな果実】【新聖水】の恩恵によるところが大きい。


 確実な成長により飛蹴兎の討伐は取るに足らないものとなった。

 

 ある程度の力をつけた晴人は『神の園』に潜む更なる珍味求めて森の奥へと足を踏み入れる事にした。


 晴人の移動手段は殆どの場合が【飛翔】を使用したもので、今日も【飛翔】によって上空へと駆け上がり、森の様子を俯瞰していた。


 そして何が起こっても良いよう【新聖水】を入れた簡易の水筒を持って、上空から森の奥へと進んでいった。


 初めて【飛翔】を使用して上空へと飛んでいった時にわかったのが目視できる限りでは、この『神の園』という森が果てしなく続いているという事だった。

 完全に探索することは叶わないが、晴人は新天地を求めて森の上空を翔て行った。


 晴人は【飛翔】を駆使して自由に跳び回る。

 MPに関しては成長したおかげで【飛翔】しているだけでは枯渇することはない。


 そうして『神の園』の探索の為に上空を飛び回ること数十分が経ったその時、晴人はあるモノの存在に気がついた。


「おぉ! もしかしてあれは【鑑定SP】を手に入れた時と同じ【スキルの果実】じゃないか?」


 晴人が発見したのは紅色の蜜柑のような果実、【スキルの果実】だった。

 以前知らずに食べた時、晴人はこの果実によって【鑑定SP】というスキルを授かった。


 【スキルの果実】はそこら中に実っている【ふしぎな果実】とは違ってどこにでもある訳ではなくなかなか見つけることができない。


 晴人は【スキルの果実】を見つけた喜びの余りに、【スキルの果実】の元へと【飛翔】で急降下する。


 晴人は見事、【スキルの果実】の元へと着地すると、その【スキルの果実】どんな能力があるのかを【鑑定SP】を使って調べた。



 鑑定の結果が晴人の目の前に表示される。



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【名称】【スキルの果実:回復魔法】


【等級】神話級


【効果】


 この【スキルの果実:回復魔法】を吸収した者は【回復魔法】が使用可能となる。


【詳細】


 『神の園』にしか実らないとされている幻想の果実。伝承によると【スキルの果実】を一口食べるだけで、貴重なスキルを入手することができるという伝説が残っている。

 だが実際には【スキルの果実】を口に入れた者はいないとされている。



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 鑑定結果によると、今回の【スキルの果実】を食べることで【回復魔法】が使用可能になるとのことだった。

 

「おぉ!【鑑定SP】程ではないけど【回復魔法】もかなり有能だろうな。少しお腹も空いたし食べちゃおう」


 晴人は上空の旅で小腹が空いたので、それを満たすべく【スキルの果実】の皮を剥いて齧り付く。


 晴人が【スキルの果実】を食べるといつも通りのアナウンスが脳内に響き渡る。



 ピロリン♪



『報告、【スキルの果実:回復魔法】を体内に吸収したことを確認しました。よって【スキルの果実:回復魔法】の効果をステータスに反映させます』


 ピロリン♪


『報告、【スキルの果実:回復魔法】によりスキルに【回復魔法】を追加します』



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【名前】竹中晴人(タケナカハルト)

【種族】人族

 Lv.19/♾

【HP】60100

【MP】40100

【攻撃力】46100

【防御力】46100

【敏捷】41100

【知力】41100

【幸運】35100

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【スキル】


【鑑定SP】【投石】【跳躍】【飛翔】【風魔法】

【回復魔法】


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【称号】神の園に踏み入れし者

    異世界人


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 自身のステータスを確認すると【スキルの果実】の効果はしっかりと作動していて、【回復魔法】がしっかりとステータスには追加されていた。



 そして、【スキルの果実】を食べ、次の場所へとさらにこの森の奥を探索しようと【飛翔】を発動した



 その時——————



 ワォォォォォォォォォン


 どこからか野太い大狼の力強い遠吠えが晴人の耳朶へと響いた。


 晴人は音が生じて来た方向へと視線を向ける。

 そして晴人はその眼で2メートルサイズの狼の存在を確認した。


 白銀の毛並みを纏い、威圧感が計りし得ない牙狼。



「なんだよ、アイツ!」


 晴人は白銀の牙狼から漏れ出る威圧感を体に浴びて、恐怖のあまり体ががきゅるると縮むのを感じる。


 

 晴人はその存在を正しく認識するために【鑑定SP】を白銀牙狼へと使用する。


 そして白銀牙狼のステータスが晴人の手元に表示される。

 晴人はそのステータスを覗いて驚愕の余り目を剥いた。


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【名称】白銀牙狼プラチナウルフ

 Lv.50

【HP】98000

【MP】88000

【攻撃力】57000

【防御力】40000

【敏捷】56000

【知力】30000

【幸運】1500


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【スキル】【雷魔法】【瞬動】【威嚇】

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【称号】神の園に住まいし者


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 晴人はその白銀牙狼のステータスを覗いた瞬間にこう思った。


「飛蹴兎なんてたいしたことねぇじゃねえかよ」


 そして晴人はすぐに行動に出た。

 それは逃亡である。

 晴人は白銀牙狼を見て敵わないと判断するや否や逃げ出した。


 【飛翔】をする活動させ、空へと飛び上がった。

 晴人は自分よりも強者である白銀牙狼に気付かれないように【飛翔】で逃走した。



 そして晴人には白銀牙狼から逃げたという敗北感が付き纏った。

 晴人はその敗北感から胸の奥にこう誓った


 ——————絶対に白銀牙狼プラチナウルフを圧倒的な強さで倒せるくらいに強くなるということを

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