第29話

・・数週間後・・


今日は雅之にとって待ちに待った日だった。なぜなら、伊藤刑事と2人で山登りするからだった。


「婆っちゃん!!俺の雨ガッパ知らん?」


「知らんよ?よく部屋の中見てみたらいいんよ」


雅之は前日に山登りに必要な道具をまとめて置いたはずなのに、なぜか雨ガッパがなかったのである。そうこうしてるうちに家の前に一台の車が止まった。


「まーちゃん!!伊藤さんがおいでになったよ?これ!!まーや??はよ近んしゃい!!」


「はーい!!今行くから待ってて貰って」


雅之はドタドタ階段を勢いよく降りてきた。

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