6話目

 「じゃ行ってくる!!」


「気をつけていってくるんだよ!!まーちゃん」


雅之は祖母の見送りの後自転車で山梨を目指した。自転車の荷台には寝袋を巻き付け、リュックサックの中にはシーチキンのツナ缶に腹持ちが良いと学校の先生に言われたビスケットなどの食糧が詰め込まれていた。


 途中地図を広げて最短ルートでの富士山まで道順を確認して山梨県の富士山へと続く国道をひたすら自転車で走った。


 「もうすっかり日が暮れてきたな。お腹も空いたしどこか自転車を止めてメシでも食うかな」


国道沿いはすでに原生林が広がっていた。樹海脇の国道で平日の夜という事もあり、夜には運送関係のトラック以外はほとんど通らなかった。

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