ギルティサークル

 カアクが消えてから、どれだけ時間が経ったのだろう?

 マミの攻撃で何度もハムの防壁が破壊され、傷を負いながら、その度に意識を繋ぎ止めて…

 それは数時間?それとも数分?

そんな時間の長さが曖昧に成る程の苦痛の中で、僕は、まだ立っていた。

「まだ、まだ倒れられない! 絶対ッ、負けないッ!!」

 僕の気迫にマミは顔を歪めていた。

「どうなってるのよ? アナタはゾンビなの?!」


「ハア…ハア… 酷いなマミさんは。こんなイケメンな僕をゾンビ呼ばわりだなんて…」

 明らかな虚勢による軽口だった。

身体に刻まれたダメージは、ハムの癒しの力だけでは回復が追いつかず、僕の脚は精神力だけが支えていた。


 ––– そして、遂に待ち望んだ想いは届く。

これを、人は『希望』と呼ぶのだろう。


『…ユウト、お前、鏡見たことあるんか? それか、イケメンの意味知らんやろ?』

 ……ああ、信じていたよ。

「カアクちゃん!」

 僕の声にカアクは頷くと、「大いなる意志の加護を得られたで。頑張ったな、ユウト」と、微笑みを返してくれた。


––– そして……

「なに独りでカッコつけてるのよ!私の事、忘れてないでしょうね?!」

 忘れる筈がない聞きたかった声が…

「ユウトくん、済まなかったな。一緒にモノガタリを終わらせよう!」

 僕の側に……届いた。

「リラさん! ツカサ先輩!!」


「ほなら行くで! 観測者と繋がったリンクした』の力、見せたれ!ユウト!」


 僕が握りしめるメダルは眩しいほどに七色の輝きを放っていた。


 ––– 有難う。観測者。


「ギルティー、『サークル』!! 僕達の物語はハッピーエンドだ!!」

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