一方、ハムリスタ

 ––– ハムとリスタ

       とある『館』にて–––


「ハム!大丈夫か!?」


『ええ、何とかけたみたい。危なかったわ』


「しかし、何じゃ!?あの擬態イヴェは?」


『大きなエビね…人間は何て言ってたかしら? ハムスターだったかな?』


「ハムよ…それはわざとか? 自分の名前と掛けとるんじゃろう? ……しかし、この『館』に閉じ込められるとは不覚じゃったな。これでは、お主を置いて皆を呼びにいく事もできんわい」


『そうね…アタシに構わず行って…とは言えないもの。『安』のギルティバリアーが無ければ、あの爪…ひとたまりも無いわ』


「うむ、先ずはこの『裏側世界バックサイド』を抜け出さねば、どうにもなるまい…その為には、先ず外に出なければならんが」


『そうね…何とか脱出口を探してみる。リスタは擬態イヴェロブスターの警戒を頼むわよ!』


「何じゃあ、ロブスターを知っとるんじゃないか!?」


『ふふっ、そうね。だって、ユウト達のお話って面白いんだもの…あたしも練習しなくちゃ!』


「それは必要か?何だか奴らにおらんか? あてられて……そうじゃ!ハムよ。ワシ…いい事思いついたぞ!」


『なんだか、ろくでもない話みたいだけど…いいわ、聞くだけ聞いたげる』


「あの擬態イヴェの身体はデカくてカタい!それを利用してだな…………」


 リスタの提案に吠えるハム。

それは、今、閉じ込められている洋館内に鳴り響いた。

 その声の元に集まって来るのは、ロブスターの姿をした擬態イヴェの大群……


『ほんと…あなた達、自称神にはマトモなのがいないわね』


「ハハハ、ハムは辛辣じゃのう! 少なくともこの館の主よりかは幾分ましじゃぞ!?」


『あの魔女みたいな?比べる対象おかしいわよ!』


 ハムは自身の周りに透明な防壁を展開すると、迫り来る擬態イヴェに牙を剥いた。


       【次回予告】

 何だか絶対絶命な状況のハムとリスタ…

そんな中、ユウト達は気楽に学園祭!

 …え? ハムがメスだった事がびっくりした?

 いや、だって、自称神と契約しているのは皆んな異性だから…

 ちなみに、ハムの声はリスタしか聞こえないよ!


次回!『一方、愕怨災(ガクエンサイ)』

            お楽しみに!!


––– 僕の歴史に、また新たなる1ページ!

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