嫉妬
〜前回までのあらすじ〜 僕の番?!
…なんでこのタイミングで、僕に『あらすじ』させるかなぁ? そうですよ! 前回は失神しちゃいましたし、勘違いもしました。
でも、本当に怖かったんですよ!
…さて、無事帰宅した僕達は、その後、数日は平和な日々を送ってました。
まだ扱いは酷いですが、何と! リラさんが僕の分も夕食を用意してくれるようになったのです! しかも上手で、女性の手料理! 本当に夢みたいです。
それと、僕は銭湯通いをしていたのですが、リラさんのシャワー室を使わせてくれる事にもなりました!
僕も恩を返すべく、また、迷惑を掛けたくないのでバイトのシフトを増やしてもらったり、フィギュアを買わなかったりして数日を過ごしていました。
勿論、筋トレも続けていまして、そのせいか少し身体もしっかりしてきたみたいです。
そうそう、本作品を代表する癒し系、ハムはリスタと共に『巣』探しの旅に出ました。
ちょっと寂しいですが、『巣』を見つける術が、ハムの鼻しか無いので仕方ありませんね?
さて、そろそろ話を始めましょうか。
僕の学校での出来事です……
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「ユウト氏、昨日の『破滅のヤバい!〜無限債務編〜』を観たかぁい? 『
学校の休憩時間、声を掛けてきたのは、アニ友の佐々木君だった。
「ごめん、最近バイトが忙しくってアニメ見る時間が無いんだ…」
その答えに佐々木君は、「そういえば、ユウト氏…なんか人が変わったみたいだなぁ、何かあったのかぁい?」と、怪訝な表情を向けるも、『気のせいだよ』で、ぼくは誤魔化した。
女性と同棲しながら世界を守っているなんて、言い方を間違えばリア充爆殺刑に処されるか精神異常とされるのがオチだろうから。
「ユウト氏、最近サッカー部のツカサ先輩とツルんでいるし、可愛い彼女と一緒に歩いてたって噂も…… なんだか裏切られた気分だよ」
佐々木君は、学校で独りぼっちだった僕に声を掛けてくれた親友だ。共通の趣味もあり、彼のお陰で学校での生活はそれなりに楽しく過ごせていた。
そんな彼に正直、『裏切られた』と言われた事がショックだった。
「佐々木君、僕に彼女なんて居ないよ。本当だから」
僕はそう伝えるも、「なんか怪しいなぁ〜 やっぱり、ユウト氏に『いい事』教えてあげない」と、そっぽを向かれてしまった。
その中、教室に沸き起こる歓声とツカサ先輩の声。
「ユウトくん、ちょっといいかな?」
そして、取り巻きの方々から向けられる僕への誹謗中傷… を、一括する先輩。
やっぱり、カッコいい人だ。
そして僕は、先輩に続き廊下に出た。
訪れた保健室には、シブさんだけでなく、カアクも待っていた。
「あれ?今日は喧嘩してないですね?」
冗談めかして僕は話しかけるも、その雰囲気とは相反し、邪神達の表情は固かった。
「カアクちゃん? 深刻な顔してどうしたんだい?」
カアクは僕を見据えると言った。
「ユウト…イヴェの巣が、この学校にあるみたいや」
僕は言葉を失う。でも、それはおかしい。
『巣』が有れば、怨怒が発症するクラスメイトが居てもおかしくないからだ。
複雑な表情を察してか、シブが僕に歩み寄り、「その『巣』は、最近出来たみたいなの。放っておけば犠牲者が出るわ」と、真剣な眼差しを向けた。
僕の背中を走る悪寒。
「一応やな、ナロゥとリラちゃんには伝えとる。直ぐに駆けつけるって言っとった。でも、リスタは遠い所におるから、直ぐには来れんみたいや」
僕の中の胸騒ぎが大きく渦を巻く。
一刻も早く『巣』を破壊しないと、取り返しのつかない事が起こりそうだと。
「先輩、直ぐにでも『巣』を破壊したいです。手伝ってくれますか?」
僕の思いが通じたのか、先輩は深く頷く。
しかし、それを見ていたカアクが呟いた言葉に、僕の感情は更なる不安へと姿を変えた。
「ユウト…気をつけや。ここにある『
【次回予告】
イヴェの巣がユウトの学校にあると言うカアク。
まさかの急展開で、リスタは不在。
そして、
ユウトを襲う不安、最悪の事態は防げるのか?
次回!『周りを変えるには自分から』
お楽しみに!!
––– 僕の
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