撃的!ビフォーアフター!

  〜前回までのあらすじ〜 はぁ…


 僕の住む部屋は築年数も古く、俗に云う『ボロアパート』に分類されるだろう。

 お風呂は無く、洗面、トイレも共同だ。

勿論、安く住処すみかを確保する為であったが、僕が此処ここを選んだ理由…

 それは、部屋が広い事だった。

その広さ何と12畳!

フィギュアとアニメDVD置き放題なんだ!


 だが…


 時刻は深夜0時、僕は壁に囲まれた四畳半のスペースで体育座りをしていた。 壁面には積み上げられたフィギア友人達。

 そして、唯一の出口である扉は外から施錠されている。

 つまり、軟禁状態だった。


…… 何故こうなったか?

     その顛末てんまつを説明しよう……


「こんな深夜に何を説明するって? 独り言なんて怖いわよ! 早く寝なさい!」

 リラのクレームが、壁の向こうから轟く。

「だって!納得いかないよ? ここは登記的に僕の部屋の筈だよ!?」


 リラがリフォーム業者を手配する事わずかに3時間…

僕の部屋は劇的な変貌を遂げてしまった。

 最近のリフォームとは恐ろしい。

ユニット化されたバストイレにクローゼット。

 そして、僕が今居るこの個室牢獄

それらは瞬く間に設置され、今の絶賛隔離中という訳だ。(注4)


※※※※※※※※※※※※※※※※※※

(注4) 現実では、賃貸物件はオーナーである大家さんの所有物ですから、無断で手を加えるのはNGだよ。承認を得る事が出来ればプチリフォームは出来るみたい。

 また、リフォームは1日では行えないよ。

(悪徳業者の可能性がありますし…)

しっかり時間をかけて建物調査、見積りをしてくれる業者を選ぼうね!

 この作品は、フィクションとしてお楽しみください。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※


 リラは相当なお金持ちだった。

支払いに使っていたカードは金色こんじきに輝いていたし…

 手持ちの小遣いも300万円以上あると言ってたし…

 ああ、知りたく無かった現実、格差社会。


 それだけあれば、埴輪ハオちゃんシリーズプレミアフィギアの、『汎用馬型決戦兵器 埋蔵人参 エグイスタリオン』が、何体買える事か…


 ……ん? ハオ…ちゃん……?


「うああああああぁあぁぁ!!!」

僕の魂の慟哭連鎖ルフランが響き渡る。

 ご近所からクレームが来ないのは、防音壁A○フィールドのお陰かな?

 いや、問題はそこぢゃない! 現実から逃げちゃダメだ!

  (今日の放送……見逃した……)


「ちょっと!? まさか、『怨怒エンド』なの!?」

勢いよく牢獄の扉が開かれ、目を丸くしてメダルを握りしめるリラの姿。


「すいません、つい…感極まりました」


 彼女は『もうっ!心配させないでよね!』という言葉と共に、扉を閉ざした。

 その後、訪れる静寂…

 隔離されているものの、なんだか落ち着かない僕は、メダルを手に眺める。

 赤い色の中に輝く粒子がゆっくり蠢き、

現代科学では説明がつかない物質という事を改めて実感する。

有罪判決ギルティ…か」


ちなみに、邪神どもは『アジトは安全、また明日』などと抜かし、天界自宅? に、悠々として帰っていった。


……え? 同居生活が羨ましい?

そりゃあ、愛し合う二人なら夢の様な話だろうけど、リラは他人…僕は家畜みたいな扱いだよ? 現時点では、バイオレンスがあってもロマンスの欠片すら感じられないよ?


 こうして僕の長い1日が幕を閉じた。 

明日も学校だ、どうか、良い一日であります様に…


       【次回予告】

 長い一日を乗り切ったユウト…

明日は舞台が一変、お待ちかね学園ものに?

 そして、スクールカースト底辺の彼に変化が起こる!?

  次回!『スクールウォーズ』

            お楽しみに!!


––– 僕の歴史に、また新たなる1ページ!


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