イヴェとは
それは「無実であるのに犯罪者として扱われてしまうこと」を指す言葉、つまり「濡れ衣」の事である。
また、日本の有罪率は実に99.98%である。
つまり、起訴され裁判になった際その殆どが有罪となるのだ。
考えて欲しい、この数字の異常性を。
例え冤罪でも、強引な聴取で身に覚えが無い罪を認めてしまう人がどれ程いるのかを…
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「僕は、変態だったのかっ!」
そう、肯定しそうになった矢先、思いもしない人物からの助け舟で、僕は正気に戻った!
「ははっ、そのメダルはカアクが作ったんだ。褒められて嬉しかったんだね」
…危なかった。追い詰められた精神とは、これ程までに脆いものとは知らなかった。
危うく身に覚えが無い
ナロゥの言葉で救われる形になった僕は、
感謝の意を評し、これから邪神改め破神に格上げする事を誓った!
「本当にあなた達、ややこしいのよ!……まあ、いいわ… ところで、私を酷い目に遭わせたイヴェは何だったの?」
リラの問いに、カアクは僕の腕から離れると神妙な口調で返答した。
「擬態イヴェ…強い思念で具現化した姿や。つまり、あの近くにイヴェの巣があると考えてええ」
「じゃあ、私の学校内に…? どおりで…」
リラの話では、特に最近『
事実、僕の目の前で襲いかかってきた守衛さんを実際目にした訳だが。
「早く、そのイヴェの巣を破壊しなきゃ!」
リラは危機迫った声を上げるが、その足元がふらつく姿に、「リラさん、無理しちゃ駄目だ。しっかり休まないと…」と、僕は心配を口にした。
彼女は『構わないで』と強気な発言をするも、再び長テーブルに腰掛ける様子に疲弊している様子が伺えた。
一方、僕の頭の中に疑問が浮かぶ。
「カアクちゃん、そういえば『
先程のシエスタ学園でのイヴェの襲撃。
あれは、向こうから干渉してきた様に感じたからだ。
それであれば、おちおち休んで居られない事になってしまう…
カアクはナロゥの顔色を伺う様に、視線を向けた後、ゆっくり語り出した。
「本来は…ウチらから干渉するんやけど……ごく稀に強い意志を持ったイヴェから干渉してくる事があるんや」
「このアジトにいる限り安全や、安心しい」
「そうか、ひとまず安心……」
「じゃないわね」
その場を切り裂く、刃の如きリラの一喝。
僕の『なんで?』という感情を読み取った様に呆れ顔で彼女は続けた。
「はあ、カアクの言った『アジト』の条件を聞いてなかったの? あなたは安全でも、私はどうなるのよ」
そうだった、おそらくリラは僕と違い両親と同居しているのだろう。
だとすれば…
「リラ、君の両親には幻影を見せておくから、安心してここに住めばいい」
ナロゥさん? さらっと、とんでもない事を言いまいましたよ!?
「じゃあ、仕方ないわね」驚くほどあっさりと承知したリラは、おもむろにスマホを取り出すと画面に指を走らせ言った。
「すぐ、リフォームするわ」
【次回予告】
膝を抱えユウトは呟く
「何故、こうなった?」
彼の身に起こった逼迫の現実とは!?
次回!『撃的!ビフォーアフター!』
お楽しみに!!
––– 僕の
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