パートナーのいない日

バブみ道日丿宮組

お題:気高い夜 制限時間:15分

パートナーのいない日

 一人で夜を過ごすのがこんなにも寂しいものなんて知らなかった。

「……」

 ベッドの隣にいつもいた温もりが欲しくて手を伸ばしても空を掴むだけ。

 ため息が漏れた。

 こういうときは早く眠ったほうがいいのかもしれない。

 けれど……あまりにも一緒にいすぎたせいか、眠る感触が全くというくらいにしてこない。

 毎夜パートナーと行為に及ぶこともあって疲れて眠るということもあるのだろうが、見慣れた光景がないというのはいけないことのようだ。

『いっそのこと誰か呼んでみようか?』

 そんなイケナイ考えが頭の中を過ぎる。パートナー以外と同じ布団で眠るのか? ありえない。一緒に安息の時間を過ごせる相手はパートナー以外に存在しない。

 ならば、しかたないのでもみもみと布団を揉んでみる。

 感触は当たり前に布団。人の温もりなどない。

 世の中には抱き枕というものがあるらしいが、人の温もりを感じないアイテムを寝具として置くのは正直どうかという気がする。

 抱きしめるのは身体があってこその恩恵があって、代わりというのはない。

「むぅ」

 見慣れた顔が見れないのならばとスマホを起動してピクチャフォルダを開く。たくさん撮ってる写真の中には当然パートナーの姿もあるし、動物のもあるし、風景もある。

「……」

 フォルダが過去に行くにつれて、懐かしいという感情が全身を巡った。

 あの人との旅行の日々とか、教授をバカにして退学させた話とか、ストーカーを撃退した時とか……いろんな記録がそこには残ってた。

 そうして気づいてしまった。

 見なければよかった、と。

 だって、見れば見るほどにあの人が恋しくなってしまう。きゅんと胸と秘部が締め付けられてしまう。

 ……こんなにもあの人を思ってたって身体が反応してしまう。

 スマホを枕のしたにしまって、天井を見た。

 邪な感情はすぐに消えなかったけど、数分経過したら落ち着いてきた。

 そういう行為は2人でいる時だけと私は思ってる。1人でするなんてそんなことはできない。それは……なにか背徳的な感じがする。

「はぁ……」

 感情の高ぶりがこんなにも激しいものなんて知らなかった。

 今度からはあの人についてくことにしよう。

 面白くないからと断ってしまったことを今更後悔しながら、私は朝日を迎えるのであった。

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パートナーのいない日 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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