違うという私

バブみ道日丿宮組

お題:ロシア式の足 制限時間:15分

違うという私

 昔々あるところに足が美形な少女がいました。

 その少女はいろんな人から視線を浴びます。そのため対策としてハイツを着るようになりました。

 けれどもけれども視線がなくなることはありませんでした。むしろ怪奇的な視線はより一層強くなった気配があります。

 ジャージでも履ければ多少なりともマシになるかもしれませんが、学校では制服以外での登校は認められてません。違反して着てくる生徒も中にはいるそうですが後々見つかって指導にあうということが発生してます。帰宅途中では制服じゃなくていいのなら逆もしてほしいと少女は願います。

 少女はかなり悩みました。

 学校外ならともかく……学校内までも視線を浴びるのはとても嫌だからです。友だちと話してる時、授業中、奉仕活動中、部活中と様々な学校のイベントで少女の足は常に視線を浴び続けます。

 友だちに相談したこともあったそうですが、解決には至ってません。むしろ羨ましがられてその話題に嫌悪されることになりました。

「はぁ……」

 ため息が白い煙となって身体を包み込んでくれれればいいのにと、少女は甘い考えをちらつかせます。そのためか連続してため息が漏れました。

「大丈夫?」

「平気、平気だから……」

 今日は恋人である少女との放課後デート。本来なら楽しい時間を過ごせるはずなのですが、やっぱり視線があります。

「デートの時男装してみる?」

「それだったら学校帰りに遊べないじゃん」

 少女たちは困惑します。

 名案があればいいのですが学生である身分の関係上できることは限られてます。

「僕が男装しても意味ないしなぁ……なんかごめんね。僕が注目されればよかったのに」

「あなただって十分目立ってる。私がおかしいだけ」

 ぺちんと少女はふとももを叩きます。

「そんなことしたらあと残っちゃうよ」

「でも、見たくない足なら問題ないでしょ?」

 うーんと恋人はうなります。

「でもさ、足真っ赤にして歩けなくなってもしかたないよね? 他のことを考えようよ?」

 その言葉にため息がさらに出ました。

 わかってる。わかってるけれど、どうしようもないのです。

 少女はロシアの美少女。

 この国ではほぼ見かけない容姿をしています。

 スラッとした足……ふとももは最高です。ロングの金髪もアクセントとして強いです。

 そう……なにをしても目立ってしまうのが彼女でした。

「今日はもうちょっと一緒にいられる?」

「うん、いいよ」

 恋人の答えに微笑む少女は、さすが注目を浴びてる人物だというくらいに華やかでした。

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違うという私 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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