熱を出した彼女

バブみ道日丿宮組

お題:遠い汗 制限時間:15分

熱を出した彼女

「最近寒くなってきた。家に引きこもりたい」

 布団で寝転ぶ彼女はとても不満そうだ。

「学校があるから出ないといけないよ」

「わかってる。わかってるよ、もうー」

 失言だったか。まぁいい。

「ほら、身体拭くから布団から出て」

「わかってる。わかってるよ、もうー」

 同じ言葉を返された。

 なにかぶつぶつ言いながらも、布団から出てくる彼女。服は着用しておらず、青い花の刺繍が入った下着姿だった。

「パジャマとか着ててほしかったんだけど」

「しょうがないじゃん。下着のままが楽なんだもの」

 そのせいで寒いんじゃないだろうか。布団の中であってもやはり服の温もりというのは大切だ。ましてや僕がくると知ってるのならば。

「熱が出てる人がいうセリフじゃないよ」

「別に私がなにして眠ってても関係ないじゃない」

 それが関係あるんだよなぁ。

 彼女のお母さんは仕事で家をあけることが多くて、こうして僕に娘の世話を頼み込むがことが多い。だから、お母さん代わりなのだ。男だけど。

「風邪引かないっていうならそのままでもいいけど、結局風邪引いてるなら素直に服を着ることだね」

 タンスからパジャマを発掘すると、ベッドに置く。

「ほら、背中からやるから」

 んという言葉と一緒に背を向けられる。

 文句を言わなければ顔はすごく可愛いのに勿体ない。

 静かに濡れタオルで汗をかいただろう背中を拭く。ときよりくすぐったいのか彼女はぴくぴくと身体を反応させた。

「前と足は自分でやる?」

「ううん、やって」

 どこまで甘えん坊なのだろうか。いや……あるいは僕が異性として見られてないだけか?

 なんにせよ、やれと言われたことを僕はやるだけだ。

 身体を拭くのが終わると、今度はパジャマを着せるというミッションが発生し、無事完了。

「じゃぁ、僕はいくから。何かあったらメッセージ送ってね」

 僕はそういって、彼女の家を去った。

 まぁ家は隣だから、去ったという感じはしないんだけどね。

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熱を出した彼女 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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