第19話 時の向こう側から来た 天界の使者

「そう言えばティエの妹エリンと

ワイアットの結婚の儀が間もなくだな」

ヴァルジニテ王女がテイエの膝枕をしてもらいつつ


「ええ良かったですわ」テイエが微笑む


「おめでとう」「有難うございます」



静かに時が過ぎ行く 王女は三人目の夫を得て

更に王女が二十代の終わりを迎える頃

ようやく、長男を得て父王ヴァルーダに孫を抱かせてやれた


数年後 安心したように

穏やかに黒の王、風の王ヴァルーダは永眠した


ヴァルジニテ王女は

火焔の女王、黒の女王として正式に即位した


感情の激しい彼女は 公の場ではこらえ

冷静を保ったが 

テイエや夫たちの腕の中でしばらく大泣きしていた


ティエは影で女王を支え続けた


月日が過ぎる中で、ある時 不思議な出来事に遭遇する


広間で女王は美しい銀色の髪をした女戦士のケンタロスと対面していた

そっと会話を聞いていたティエ


ケンタロスは天界の者で未来から来たと言う


星座の聖なる獅子の心臓の名の意味を持つ

レグルス・・それが彼女の名


彼女は未来を告げ、女王の子孫と

やがて来るべき平和と安寧の黄金時代


その為に犠牲になる悲劇の最後の黒の王達

そのことを告げた


天界の使者は女王に未来を告げに来たのだ


立ち去る天界の使者  ため息をつく女王


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