オシャレって自分のためにするものでしょ?

柴崎琴歌

第1話 自分の好きは否定されたくない

 今日高校時代から約2年間付き合っていた彼氏と別れた。


 高校時代から付き合っていた彼氏と別れた。

理由はよくありがちな性格の不一致ってやつだ。


 お互い大学に入ってからなかなか会う時間が無くて連絡頻度が少なくなっていたからこれは危ないなと自分でも感じていた。


 ただ、決定的だったのは彼からの言葉だった。


「もっとメイク薄くしてくれない?服装とかもさ周りと浮かない努力しようよ」


 高校生の時はバイトも出来なかったし、オシャレだってしたかったけど出来てなかった。


 せっかく大学生になって学校に行くのでも自分の好きな服とかメイクとか出来るようになったと思ったから思いっきり楽しもうと思った。そう思って新しくいろいろ服を買った。


 昔からかわいいアイドルの衣装やメイクが好きで普段の服もひらひらのレースやリボンが付いているのが好きだった。

 かと思えば今日はカッコよくいたいからストリート系の服を着ようと思って着ていたりする日もあって毎日違う自分を表現できるのが嬉しかった。


 それがこんな結果を引き出すなんて思わなかった。彼氏とは付き合ってもう2年経ってるし私の好きなものは理解あると思っていた。


 というかメイクとかファッションは別に彼氏のためにやってるのではないのになと思うのになと思う気持ちだってどこにもぶつけられずにいた。


 とまぁこんな感じで別れたんだけど…


「別にその男にこだわる必要ないからいいんじゃない?」


「咲が自分らしくいれないんだったらその人は運命の人じゃないんだよ〜」


 友人たちに話したところズバッと切り捨てられた。


「すぐに切り替えるの難しいかもだけどまずは自分のしたいことしてみたら?だいたい休日は彼氏のために空けてたんでしょ?」


 そんな言葉を言われて、さすがに反論しようと思ったが思い返してみると彼氏のために時間を使ってることが多かったし、自分の趣味もだんだん減っていた気がした。


 もしかしたらこれはチャンスかもしれない。

 自分に素直に生きて行くための。

 とりあえず行動しなきゃ。

 








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