僕的世界彩色物語
葵はやと
story0 #1
「おいノルマン、前から頼んでいたあの生物は完成しそうか?」
この世の唯一の最高神(top god)、サラールが尋ねた。
「はい。“人間”ですよね。あと3年あれば完成するかと。」
「思ったより早いな。」
サラールは、ノルマンの研究台に載っている図式を眺めた。
「かなり忠実に我々を再現してくれている。
これには期待しているぞ、ノルマン。」
「はい。期待に応えられるよう、努力していきます。」
サラールは研究室を去った。
ノルマンは一人考えた。
遡ること16億年前。サラールによるこの世の統治が始まった。
前神・ガーデと真逆の“生物への自由”を掲げ、見事最高神選挙で当選した。
それから1億5000万年後。ノルマンがサラールの新種の生物研究プロジェクトに
招集された。
もともと、自分だけの生物を作ることが趣味だったノルマンは、
喜んでこの仕事を引き受けた。
さらにそれから2億年後、
サラールから“人間”を作らないかと持ちかけられた。
当初、サラールが考えていた“人間”は、神に似た容姿であり、
知能も他の動物とは比べものにならないほど発達しており、
この世で一番神に近い存在であった。
しかし、“全神会議”で否決され、見直さざるを得なかった。
すぐに改正“人間作成案”が会議に提出された。
そこに示された人間は、知能を当初より大幅に退化させ、
容姿も少し神から遠ざけた。
改正案は6:4で可決。これにより、人間作成が実行されたのだった。
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