ツンデレでかわいい妹じゃ駄目ですか?
薄氷井蛙
第1話 友達作り
今日は待ちに待った
そんな俺の隣には、同い年のかわいい妹がいる。
「ねぇお兄ちゃん、なにそんなにニヤニヤしてんの~笑。もしかして、これから私と一緒に同じ高校行けることが嬉しいんでしょ~?まったく、お兄ちゃんはかわいいなぁ、なでなでっ。」
「うるさい。あと、学校ではお兄ちゃんと呼ぶな。」
どうも昔から、俺に対してはこんな態度で構ってくる、慣れたことだが。言い遅れたが、俺の名前は
入学式は午前中で終わり、それぞれクラスごとに分けられた。そのときふと気づいた、俺と未空が同じクラスだということに。俺にとっては最悪だ、あいつと関わってるときほど憂鬱なときはない。
「あれれぇ、もしかしてお兄ちゃんと同じクラス~?こんなかわいい妹と学校だけでなく、クラスまで同じなんてお兄ちゃんは幸運だねぇ~♪」
クラス中の視線がこっちに向かってくる。陰キャの俺にとっては怖すぎる。それに対して未空はニヤリっと笑いながらこっちを見てる。ちょうどその時、担任の先生が来て最悪の事態は免れた。
帰りのSHRが終わると、周りが一気にざわつきだした。どうやら連絡先を交換してるらしい。未空の周りにも、多くの人が押し寄せている。だが俺の周りには誰一人としていなかった。さっきの騒動があれば当然だろう。結局俺はその日、誰一人とも連絡先を交換できなかった。
周りのざわつきが収まると、みんな一斉に帰りだした。外は午後から雨予報で、今も雨の音が響くほど降っている。俺も帰ろうと思った。周りも折りたたみ傘の準備をしていたとき、一人だけ落ち込んでいたやつがいた。未空だ。
「どうした、傘忘れたんか?」俺が尋ねると、
「う、うん。学校の支度してたら忘れちゃって…。べっ、別にお兄ちゃんと同じ傘に入って帰りたかった訳じゃないもん!」
そこまで言われると分かりやすすぎる。俺はこれを避けたかったから朝あれほど言ったのに。
「お前だけ濡れて帰るのもあれだから、俺の傘の中に入っていけ。文句は言うな。」
そうして俺たちは、一つの傘の中に二人で一緒に帰って行った。
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