(三)-8

「それはお前が好きに決めていいんだよ。面談はおじいちゃんかおばあちゃんに頼みなさい。それが一番いいだろう」

 ママはそう言って身を翻した。

「どうしてパパと別れたの?」

 そんなこと、この状況で聞くような話ではなかった。でもママを引き留めておきたかった。とっさに出たのが、その質問だった。

「あの人はね、どこか女々しかったんだ。それだけだよ」

 こちらを振り返らずに、ママは言った。

 その話は前にも聞いたことがあった。だから、ママの言葉も短くなったのだろう。

「来週の金曜日、午後四時からだから。絶対来てよね」

 私がそう言うと、ママは一瞬立ち止まったけど、すぐに無言で部屋から出ていってしまった。ママのバカ……。


(続く)

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